ウィンダム・ヒルの掲示板

THE COLOR OF SUNSHINE / Lawrence Blatt-2009-
Produced by Will Ackerman.
Engineer, Mixing Mastered by Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

 

Lawrence Blatt

 

   

♪ ♪ ♪

01.Look To The Sun
Lawrence Blatt; Guitar

02. The Color Of Sunshine
Lawrence Blatt; Guitar
Jeff Oster; Flugelhorn / William Ackerman; Guitar
T-Bone Wolk; Bass / Derrik Jordan; Percussion

03. Gray Salt Marsh
Lawrence Blatt; Guitar / T-Bone Wolk; Bass

04. Infrared ; The Abyss
Lawrence Blatt; Guitar, Vocals
Derrik Jordan; Percussion / Noah Wilding; Vocals / William Ackerman; Vocals

05. Alhambra (The Red)
Lawrence Blatt; Guitar
Steve Schuch; Violin / Derrik Jordan; Percussion
Corin Nelsen; Tingsha Bell / William Ackerman; Wind Chimes

06. Orange Blossom Honey
Raymond Rapozo; Ukulele / Lawrence Blatt; Ukulele

07.Jaune (Yellow)
Lawrence Blatt; Guitar, Bass, Percussion
Steve Schuch; Violin / T-Bone Wolk; Acocordion
Patrick Gorman; Drums / Derrik Jordan; Shaker

08. Green Corn And Spring
Lawrence Blatt; Guitar

09. Mar Azul
Lawrence Blatt; Guitar
Steve Schuch; Violin / T-Bone Wolk; Bass
Patrick Gorman; Drums / Derrik Jordan; Handclap

  10. Violet Blue
Lawrence Blatt; Guitar, Bass, Keyboard. Handclaps
Kori Linae Carothers ; Piano / Corin Nelsen; Piano
Renata Bratt; Cello / William Ackerman; Handclaps / Derrik Jordan; Shaker

11. UV Radiations
Lawrence Blatt; Guitar
T-Bone Wolk; Bass / Derrik Jordan; Percussion

12. Black Rock Beach
Lawrence Blatt; Guitar
Zack Blatt; Beat Box/ Patrick Gorman; Drums/ T-Bone Wolk; Guitars

13. White Light
Lawrence Blatt; Guitar

14. Reach For The Rainbow
Lawrence Blatt; Ukulele
William Ackerman; Guitar / Derrik Jordan; Hopi Drum




 光について語るとき、物理学者アイザック・ニュートン(1642-1727)を避けて通るわけには行きません。ローレンスのアルバムも、何気ない日だまりの中でインスパイアされて作曲された「The Color Of Sunshine」から、組曲風に編まれた作品集で、解説書の中にもニュートンと同時期に光の回析について研究していたフランチェスコ・マリア・グリマルディ(1618-1663)の名前を見ることができて、思わずニヤリとしてしまいました。

 そんな物理学者が登場するからと言って、このアルバムが眉間にしわを寄せて聞くというわけではなく、アッカーマンのナチュラルなサウンドを信条としたイマジナリー・ロード・スタジオのぬくもりと、大自然に囲まれた環境に身を置いているような、ウィンダム・ヒル・シリーズを聴いているようなアルバムです。
 しかし、アッカーマン・カラーというのではなく、あくまでもローレンスの作り出す楽曲に対して加味された、いわばイマジナリー・ロード・サウンドと呼びたくなるぐらい新しいものなのです。
 どの曲からも、万物に降りそそぐ太陽からの恵みを感じる環境に、自分自身が置かれているような気分にさせてくれるほのぼのとした曲が多いのが特徴です。
 でも、テーマが日光。タイトルからもわかる通り、各曲にはレインボー(プリズムで回析した表現を使うならスペクトル)が、当てはめられています。そのサウンドも何色にも変化する曲が登場するのがユニークです。そして、まるで光を求めて世界中を旅しているかのごとく、様々なタイプのサウンドが楽しめます。ロック、ブルース、スパニッシュ、そしてハワイアン。

 特にお気に入りはロック色の強いT-Bone Wolkとのギターとベースのデュオ「Gray Salt Marsh」、ギターのリズムを刻むカッティングいかにもロックン・ロール。それをアコースティックギターとアコースティックベースで演奏しているところがロックの原石を聴いているようです。ブルースフィーリングの「Black Rock Beach」、そして「Orange Blossom Honey」ではRaymond Rapozoにリードを任せて二人でウクレレを奏でている雰囲気に、ビートルズの「Here Comes The Sun」や、ジョージのシングルのB面に収録された「Deep Blue」を感じない人はいないでしょう。ジョージ・ハリスンが『アンソロジー』の収録時に、庭の芝生の上でウクレレを奏でながら、彼の名作を即興で弾いていたシーンが眼に浮かびます。
 また、アッカーマンがヴォーカルで参加している「Infrared ; The Abyss」なんかを聴くと、1985年にマイケル・ヘッジスの「Come Together」に、フィリップ・アーバーグとコーラスで飛び入り参加した時のことを思い出してしまいます。そしてエンディングに置かれた「Reach for The Rainbow」でのアッカーマンとのデュオは、『CHILDFOOD AND MEMORY』の中に入っていてもおかしくないピースだと思いました。


Photo by Toshiharu Minagawa.


Lawrence Blattウィンダム・ヒル

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