ウィンダム・ヒルの掲示板

SILHOUETTE OF A SEASON
/ Matt Millecchia -2008-

 

 

 

 




Produced by Will Ackerman.
Engineer, Mixing: Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studios, Windham Country,Vermont.

 

 

ウィンダム・ヒルの掲示板

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01.Arrivals
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
Steve Schuch ; Violin / Derrik Jordan ; Electric Violin / Michael Manring ; Fretless Bass

02. Georgia Springs
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar

03.Inspiress
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar/ Will Ackerman ; Guitar

04. Antietam Spring
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar/ T.Bone Wolk ; Accordion

05. Expectations
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar

06. Summer Tears
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
Steve Schuch ; Violin / T.Bone Wolk ; Bass

07. Sphynx
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
Samite ; Flute/ Derrik Jordan ; Percussion

08. August Eclipse
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar

09. Mist
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
Jeff Oster ; Flugelhorn / Michael Manring ; Fretless Bass

10. Acid Lake
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
Will Ackerman ; Guitar / Eugene Friesen ; Cello

11. Dream Garage
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar
T.Bone Wolk ; Bass/ Derrik Jordan ; Percussion

12. Moonset
Matt Millecchia ; Acoustic Guitar

 アルバムタイトル通り、どの曲からも四季折々の面影一こま一こまが現れては消え、うつろいやすい光と影が織りなす風景を見せてくれるような曲ばかり。凛として張りつめた冬の景色の中に身を置いて彼らを眺めているかのよう。

 作品が届けられるとすぐにCDを聴いてみましたが、最初の一音(ヴァイオリンによるむせび泣く音)を聴いてすぐに散歩に出てみたくなり、小雨が降りしきる一日でしたが、実際にそうしました。一曲一曲がカメラのファインダー越しに切り取った風景を思わせる曲想ばかりだったので、途中でいったん止め、iPodに入れてフィールドに出て、続きは散歩しながら楽しみました。
 その日はどんよりとした冬枯れの景色が広がっていましたが、ある曲では、じっと次の季節を待つ草花の姿、ある曲では葉を落としきった冬枯れの枝に集まった氷雨の雫からの語らいを、ギターが代弁しているかのように聞こえてきました。このアルバムはドビュッシーの音楽に近いかもしれません。アルフレッド・コクトーの一節
歴史の開闢以来、大自然をにぎわしている不思議なつぶやきや片言

 個々につけられたタイトルも、ひとつひとつ眺めながら耳を傾けると、その時々の情景を思い浮かべることができます。たぶん、そうした環境の中で自然から受けた印象をメロディにしていったのでしょう。風が木の葉を揺する瞬間や、木漏れ陽が足下に差す瞬間、雫が落ちる瞬間… そうした自然の表情がこのアルバムには詰まっています。
 だからといって、曲を聴くたびに、同じフレーズ、同じリフで毎回同じ景色や情景を感じるのかといえば、そうではなく、自然の光彩が一時も同じ表情を見せないのと同じで、見る風景の環境、天候、季節によって異なる表情を見せてくれる四季折々の表情や、流れ行く雲の表情と同じように、決して同じ印象を与えることはありません。それから聴き手の体調などによっても同じことが言えるでしょう。

 アッカーマンプロデュースによる2009年最初の作品は、大学時代に秋田で留学生活を送っていたという経歴を持つアコースティックギタリスト。ここでもアッカーマン・ファミリーによるゲスト・ミュージシャンがこれぞウィンダム・ヒル・サウンドという絶妙のアンサンブルを奏でてくれています。
 アッカーマンのギターアルバムは、比較的スタジオエコーを取り入れる音作りをしていますが、今回は極力そういった残響を排除した音になっていて透明感のあるギター・サウンドになっています。Matt本人がピックを使っているのでなおさら、そう聞こえるのかもしれません。弦を押さえるキュキュッという音が実に生々しく録らえられています。まるでライヴ・ハウスで目の前で聴いているかのようにリアルな音を届けてくれました。

 今回もMatt本人と直接やり取りをして購入しましたが(サインもしていただきました〜)、その中に日本語をローマ字で綴った文があったから「日本語が上手ですね」と返信すると、なんと大学時代秋田の大学に留学していたとのこと。

 なお、アルバムクレジットにはMatt Millecchiaのサイトから“Chao”(プロデュースはMatt本人)というボーナストラックをダウンロードできるお知らせが記載されています。アルバムとは雰囲気の異なるアグレッシブでブルージーな曲です。



Photo by Toshiharu Minagawa.