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ピアノソロ。
優しい気持ちにさせてくれる曲を書き、演奏する人だなぁ。デビュー時のピアノトリオ編成から、そのピアノスタイルは変わらず、透明感のある優しいメロディに溢れています。 最初に曲を聴いたとき(届いたCDではなくネットで)、フィリップ・アーバーグの描き出す情景を思い浮かべずにはいられませんでした。アメリカの乾いた大地に降り注ぐ恵の雨のような感触と言ったらよいでしょうか。無色透明で、聴き手が自分の色に染められるような思いを曲の中に描くことができるようです。 Chadのホームページ(サンプル視聴のページ)で、一曲一曲のコメントを読むことができます(英文)。たとえば1曲目の“Will”は、今回のセッションの最初にレコーディングされた曲です。ウィルを兄弟のように思っていると書かれているのでウィル・アッカーマンに捧げた曲なのかと思いきや、彼らのこれからの共同作業(アルバム作り)のこと。まるで父親が幼い子供を見つめるような、優しい眼差しを思い描いてしまいそうです。あるいは、アイルランドの作曲家、ジョン・フィールドが創始したノクターンのように、左手の分散和音に載せて右手の印象的なメロディが、まさにノクターンの雰囲気を感じさせてくれるようです。 曲は、個人的な出来事から得たインスピレーションから生まれたものばかりで、美しい奥様に贈ったShe Walks In Beauty(Wedding Song)はもともとヴァイオリンとチェロのための曲だったので、ユージン・フリーゼンやスティーヴ・シュッチあたりが登場するのかと思っていましたが、ピアノソロにアレンジしています。。 8曲目の奇妙なタイトルはオードリー・ヘップバーンのある映画の台詞からとったもので、「そのタイトルを教えない。自分で探してみて」と問題をだされてしまいました。それぞれの曲への思いを読むことができてファンとしてはうれしいです。わずか50分に満たないアルバムですが、わかりやすいメロディ、優しさに溢れた曲想、今後の活動に期待したいピアニストの一人です。 最近マイ・ブームになっている(アーティストにメールを出す)方法でChad Lawson本人にメールを送って購入すると、最初の返信が日本語だったのには驚いてしまいました。私も辞書と翻訳ページなど使って必死にできない英文を書いていますが、Chadも同じ様にして書いてくれたかと思うと嬉しく思いました。そしてとても親近感を持ってしまいました。最後に「日本に行くことがあったら会おう」という一文を書いてくれました。実現したらオロオロしてしまうと思います(笑)。 |
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Photo by Toshiharu Minagawa.
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