私が良く聞くアルバム『天界』には、2組の、しかも同じような雰囲気を持ったアーティストがそれぞれ、ほぼ同時期にアルバムをレコーディング、リリースしています。しかし、耳を傾けて見るとまったく違った音楽性であることは言うまでもありません。しかし、ジャケットに刻まれている文字の似た感じや、方やピラミッドのように天をつくようなビル、方や両腕を広げ同じような形で立ち姿の女性(久保田早紀)の写真は、偶然とはいえ見事に呼応し合っているようにさえ思えます。
 

 

天界("TEN KAI"ASTRAL TRIP)/喜多郎(1978)
01. 海を見つめて
02. ソウル・オブ・ザ・シー
03. 小宇宙
04. 鼓動
05. 炎の舞
06. 無
07. 宇宙の夜明け
08. エンドレス・ドリーミー・ワールド
09. 回想
10. アストラル・トリップ

 私が喜多郎を初めて聞いたのは『オアシス』からで、その時の(シンセサイザーの)印象というのが、とにかく瑞々しい全く濁りのないクリアなサウンドでした。それというのも、あのアルバムの根底に流れているのが水であり、エンディングが岩のあいだから沸き出す泉の音を連想させて、延々に終わることのない雰囲気を持っていたからです。
  そして、この喜多郎の1stアルバムのオープニングではタイトル曲らしく、打ち寄せる浪(海)の音で始まります。その音の澄んだ音色と言ったら、最初に印象づけられた「水」というイメージとあいまってどこか異国にいるような感覚にさえとらわれてしまったほどです。
 海から始まって天界の世界を描く。これは日本(もとは中国)の伝説七夕にも通じるのかもしれません。まだ一部のリスナー

 

天界/久保田早紀(1980)
01. シャングリラ
02. 天界
03. 碧の館
04. 真珠諸島
05. アクエリアン・エイジ
06. 葡萄樹の娘
07. 25時
08. 田園協奏曲
09. みせかけだけの優しさ
10. 最終ページ
久保田早紀にとって1979年のデビュー作『夢がたり』に次ぐ2ndアルバム。このアルバムは、先のラストに収められた♪星空の少年から引き継ぎ、天や星をイメージした作風に広がりましたが、サウンドや雰囲気は前作を踏襲した感じです。いかにも彼女のイメージを保っていると言ったような感じです。

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