1717年-1723年(ケーテン時代)頃の作曲。バッハが認められるようになった近年まではチェロの練習曲といった扱いを受けていた曲集。20世紀になってパブロ・カザロフの演奏で知名度が上がり、それ以降はチェロの聖典とされた曲集(バッハはみんなそんな感じ?)。
有名な第1組曲のプレリュードを初めて意識して聴いたのはウィンダム・ヒルの「
ウィンター・コレクション2」でのマイケル・ヘッジスのハープ・ギターによる演奏。バッハはクリスマスにあうなぁ、と思いましたが、原曲を初めて聴いたのはミッシャ・マイスキーの最初の全曲集(グラモフォン盤で、最優秀録音盤推薦だった)。確か、シュロモ・ミンツと併せてグラモフォンが企画した新人アーティストによる新バッハ全集シリーズみたいなものの一枚でした。私が持っているカタログでも2人の録音評がずば抜けてよくて、当時あこがれていた「デジタル録音」という言葉もチョイスする基準になっていました。
初めてSACDで聴いたのは二度目の録音となる鈴木秀美氏の演奏、そしてスッパラというギターのように抱えて奏でるチェロの寺神戸亮氏(彼は無伴奏Vnと両方レコーディングしている)、そして上のアルバムの奏者の義兄であるリチャード・タニクリフ(パブロはリチャード夫人の弟だそう)。リン・レコーズのジャケットにまず惹かれというチョイスでしたが、