tupichan's billboard hot 100
(ビルボードのチャートに関わらず~)

1968年にリリースされたアルバムのお気に入りを紹介します


Produced by Wendy Carlos, Rachel Elkind.

1969年度第12回グラミー賞
♪Album Of The Year, Classical; Walter Carlos, artist; Rachel Elkind, producer
♪Classical Performance - Instrumental Soloist or Sloloists (with or without Orchestra)
♪Best Engineered Recording, Classical - Walter Carlos, engineer (Walter Carlos)



 当時ワルター・カーロス(現ウェンディ・カーロス嬢)がモーグ・シンセサイザーのみで演奏したオール・バッハ・プログラム。私がこの音源を初めて聞いたのは、NHK-FMの『日本のトップ・アーティスト』の特集で取り上げられた冨田勲と小松左京氏の対談の中でした。その頃は、トミタサウンドばかり追求していたので、正直ラジオから流れてきたアルバム1曲目の「シンフォニア29番」を耳にしたときは衝撃を受けました。トミタサウンドとは違う、いかにも電気的な音! 長らくアナログレコードをテープに録った音しか聞いていなかったので、2001年のリマスター盤の驚くべき違い!これはまことに素晴らしい変化で(今までどんだけ悪い音で聞いていたんだか・・・)「うおおおぉ〜」と驚きの連続です。なんというか、電子音を何の媒介も通さず、ダイレクトに聞いているかのよう、とでも表現すればいいでしょうか。かなり細かい音が綿密に扱われていたというのがわかります。モーグシンセサイザーの基本音(なんていうのがあるのかどうかわかりませんが)を全色聞いているような感じです(これに触発された『月の光』(1974)を制作した冨田勲はやはりスゴイ!)。

 あらためて、デジタルリマスターの音源を聞いてみると、パトリック・グリースンがモロこのサウンドを真似ているというのが分かります(オマージュかな? 彼の『惑星』(1976)のライナーノーツをワルター・カーロスが書いているし)。いろいろな音が聞こえてきて楽しめることは確かで、右チャンネル左チャンネルに振り分けられた音源がとても新鮮に感じます。
 カーロスはこのあとも『SWITCHED-ON』シリーズを制作しますが、この1stを凌げなかったような気がします(だから冨田勲氏はやはりスゴイのです!!)

 なお、このアルバムは、リリース翌年の1969年のグラミー賞でも三部門を獲得したのをきっかけに、ビルボードのポピュラーチャート(Billboard 200)への「異例」なランクインとなりました。

Billboard Peak Possision #10 on April 26, 1969





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