プログレッシブ・ロック(DVD-Audio)など
 プログレッシブ・ロックって、割と好きです。イエスとか、フロイドとか、(ジョン・ウェットン在席の)クリムゾンとか… ここではそういったアーティストたちのアルバムを、そして、やはりこうしたマルチ・サラウンドになったアルバムを紹介します。
 

 

 
01. Red
02. Fallen Angel (堕落天使
03. One More Red Nightmare (再び赤い悪夢)
04. Providence(神の導き)
05. Starless
 
 
 
 プログレの中でもクリムゾンは、イエスほど好きなバンドではありませんが、それでも同じジョンという名のベーシストの声には惹かれます。音があっちこっちのスピーカーに移動するというトリップを聞かせてくれますが、ヴォーカルは比較的リアスピーカーから鳴っています。そのためにやや重心が宙に浮いてしまっている感じ。
  ただ、このアルバムは「ヘヴィ・メタル」と言われるだけあって、プログレにありがちな浮遊的覚醒感が、さらに超絶的なプレイによって心身ともに疲労困憊となって襲いかかってくるようです(笑)

 音とは関係ありませんが、ディスプレイでメニューを選ぶ(この辺りがDVDらしい)時に、ジャケット裏にあるオーディオレベルメーターがレッドゾーン(音量大)に針が動くあたり、なかなか凝った作りをしているなぁと思います。

 

 

 
01. 21st Century Schizoid Man including Mirrors
(21世紀の精神異常者)
02. I Talk To The Wind
(風に語りて)
03. Epitaph including March For No Reason and Tomorrow And Tomorrow
(エピタフ-墓碑銘)
04.Moonchild including The Dream and The Illusion
(ムーン・チャイルド)
05.The Court of the Crimson King including The Return Of The Fire Witch and The Dance Of The Puppets
(クリムゾン・キングの宮殿 )
 
 プレイヤーがユニバーサル対応で、しかもDVD-Audio非対応だったら手を出すことはしなかったであろうフォーマット・・・
 しかし、一度体験してしまうと、この驚異的な体験から逃れることが出来ない覚醒が潜んでいます。特にこうしたプログレ物は危険度が高い(笑)。1曲目からガツンとやられた感じです。今まではプログレと言ったら、私にとってはイエスであり、フロイドだったのですが、このサラウンド化を通じて、やっとこのアルバムの凄さがわかったような気がします(2009)

 

01. The Great Deceiver(偉大なる詐欺師)
02. Lament(人びとの嘆き)
03. We'll Let You Know (隠し事)
04. The Night Watch (夜を支配する人)
05. Trio(トリオ)
06. The Mincer(詭弁家)
07. Starless And Bible Black(暗黒の世界)
08.Fracture(突破口)
 
 邦題は『暗黒の世界』。何となくキッスにも通じそうなアルバムタイトルだなぁ、と追いつつも個人的にはクリムゾンのジョン・ウェットン三部作の中で、もっとも地味なアルバムと感じるワタクシ。(2011)

 

01. Elephant Talk
02. Frame By Frame
03. Matte Kudasai(待ってください)
04. Indiscipline
05. Thela Hun Ginjeet
06. The Sheltering Sky
07. Discipline
 
 それまでの硬派な布陣(3人というトリオからして硬派?)から一変して、なんともグニャグニャなサウンドを聴かせるメンバー(笑)。ギターにはなんとエイドリアン・ブリュー(CMに出ちゃうしね)、ベースにはスティック・ベースのトニー・レヴィン(彼は今、ウィル・アッカーマンのスタジオ・ミュージシャンとして雇われている?)。ドラムは変わらずビル・ブラッフォードに、御大ロバート・フィリップ。玄人集団と言うメンツでいえば、抜けたウェットンが結成したUKに対抗しているのでは、などと考えてしまいました。そのUKにもブラッフォードいるし。どうなってんだプログレと思いつつ、こうした交流試合的な応酬は大好きです。(2011)

 

 

01. Larks' Tongues in Aspic, Part One (太陽と旋律 パート1)
02. Book of Saturday(土曜日の本)
03. Exiles(放浪者)
04. Easy Money
05. The Talking Drum
06. Larks' Tongues in Aspic, Part Two (太陽と旋律 パート2)
 
 

 クリムゾン・ファンの間ではもっとも人気の高い作品『太陽と旋律』が、DVD-Audioでもトリの形で登場しました。今までサウンド・フェチだったロバートも、ここに来てやっと満足の行くフォーマットに出会ったのではないでしょうか?
(ロバートは一連の過去の作品に対するサラウンドのミックスに関して、かなりSteve Wilsonの手腕を買ってますねぇ)
  5ch(DVD
に囲まれてこれらのサウンドを聞いて驚くのは、レコーディング当時からかなりクオリティの高い音で、マスターテープに録音されていたこと。それが、各スピーカーに分離して、プレイヤーとリスナーがほとんど同じ次元でアルバムを追体験することができる喜びが、このシリーズのウリになっています。(2012)

 

01. Close To The Edge (危機)
02. And You And I(同志)
03. Siberian Khatru
 
 

 クリムゾンのDVD-Audio化にあたった同じプロダクション(Steve Wilson)の手によるイエスの作品がとうとう彼の手に掛かってDVD-Audio化されるようになりました。今まで、あまり音質にこだわるようなバンドではなかったので、出来ることなら日本がSACD化したように、1970年代に発表した全作品をDVD-Audio化してもらいたいものです。
 すでに日本をはじめ、Audio FidelityからもSACD化されているアルバムなので、できることならほかのアルバムから始めてくれれば良かったのにい、と思ってしまいましたが、これ以降とりあえず70年代のアルバムを進めていくようなので、とりあえずこの版が決定打と言えるのではないでしょうか?(2013)

 


01. Yours Is No Disgrace
02. Clap
03. Starship Trooper
04.I've Seen All Good People
05.A Venture
06.Perpetual Change
 イエスのDVD-Audio第二弾は「こわれもの」に行くと思いきや、その前のトニー・ケイが中心(笑)、スティーヴ・ハウ加入後のアルバムが選ばれました。時分ではDVD-Audioで注文したつもりだったのですが、ブルーレイで届きました。まぁ、再生もできるし、コンテンツもDAよりも多いからいいか、と思っていますが、棚に並べた時の違和感が… 音はこれまで以上にないぐらいの臨場感ありで文句なしです。(2014)

 

01. The Gates of Delirium(錯乱の扉)
02. Sound Chaser
03. To Be Over
 イエスのDVD-Audio第三弾は待ってましたの「リレイヤー」。個人的には「ドラマ」か今作を願っていたので、彼(Steve Wilson)のブログにこのジャケットが表示されたときには鳥肌が立ちました。なんでも好きなアルバムしか手掛けないとかコメントしているので、なんだかこういう選択は嬉しくなってしまいます。(2014)

 

01. Roundabout
02. Cans and Brahms
03. We Have Heaven(天国への架け橋)
04.South Side of the Sky(南の空)
05.5% for Nothing(無益の5%)
06.Long Distance Runaround (遥かなる思い出)
07.The Fish
08.Mood for a Day
09.Heart of the Sunrise(燃える朝焼け)
 2015年、クリス・スクワイアが亡くなった。私のいちばん好きだったベーシスト。昨年、息子と、オリジナルメンバーではなかったけれど、好きなバンドを一緒に見られて良かったと思う。そしてそれが最後の彼を眺める機会になってしまったのは、本当に寂しい。
 今ミックスは、もしかしたら外されるのではないかと懸念していた、イエスを代表するアルバム。日本でもDVD-Audioとしてリマスターでリリースされたこともありますが、できることなら同一のエンジニアに手がけてもらった方が、サウンドも統一されていて聞きやすい者です(精神的にもね)。といわけで、やっとこの大傑作がリ・イシューされました。正確にはプログレッシブロックを代表するアルバム。当初、スティーヴ・ウィルソンは「自分の好きなアルバムだけをチョイスしている」ということを言っていただけに、このアルバムの名前が見当たらなかった時、「好きじゃねーのか」と残念に思っていたのですが、もしかしたらクリスの死が、彼にやる気を起こさせたのだとしたら、ちょっと皮肉だ。何と言っても、クリスのトレードマークであるベースがゴリゴリと鳴っているから。
  メンバーそれぞれのソロをフューチャーされた作品だけに、その楽器一つ一つの音がクリアに分離されて再生されます。演奏にごまかしのきかないフォーマットが登場し、されにクレイジーなアーティストたちのプレイが迫ってくるようです(2015)

 

01. The Revealing Science of God (Dance of the Dawn)
(神の啓示)
02. The Remembering (High the Memory)
(追憶)
03. The Ancient (Giants under the Sun)
(古代文明)
04.Ritual (Nous sommes du soleil)
(儀式)
 もっとも難解と言わざるを得ない2枚組の大作が登場。サラウンド・ミックスを行ったSteve Willsonにとっては、やりがいのある仕事難じゃないかと思ったりして(笑)。これによって楽器の分離や、音の構成などがくっきりとなり、実は「難解」でもなんでもなく、もっとポップに近い内容なんだなぁと思いました(2015)

 

 

 すっかり『エクソシスト』のイメージが定着している「冒頭」部分ですが(そう思っているのは自分だけかもしれませんが、怖かったので…)それを過ぎると様々な楽器が登場する、いわばロック版ブリテンの『青少年のための管弦楽』あるいはラヴェルの『ボレロ』ではないでしょうか? 繰り返し同じメロディが、様々な楽器によってなぞられる… これを最初に出たSACD(4ch)やDVD-Audioのリミックス(5.1 Surround Sound Mix)で聴く喜びはたまらなく面白い体験です。
 先にリック・ウェイクマンも『デラックス版』としてリ・イシューされ、そちらに収録されているDVD-Audioはオリジナル通りの4チャンネルで、あまりゾクゾク感を感じなかったのですが、マイクのデラックス版は本人監修による5.1chサラウンドなので決定版ということではないでしょうか? さらに奥まで入り込めたという感じ。

 ユニバーサルのSACD-SHMもうたい文句通り「芯が太くて良い!と思っていたのですが、これを聴いたら、最初に手にしたSACDは聞けないでしょう(と、初めてSACDよりも、と思いました)、と大推薦の一枚!

 しかし、こうして並べて見ると、「同じのを何枚も何枚も…」と呆れてしまいますね〜

 

 1973年に発表されたリック・ウェイクマンの1stソロアルバム。邦題を『ヘンリー8世の6人の妻たち』。かねてからYesのアルバムがマルチ化されるにつれ、リックのアルバムもマルチにふさわしいと思っていましたが、もともと製作時に4チャンネルとして制作されていたそうです(Quad Mixなのだそうだ)。

 リックのステージを見ると、彼を取り囲むようにしたキーボード軍が、リスナーを中心にぐるりと取り囲むのだろうと想像すると、トリハダものです。今でもソロコンサートの際に演奏される名曲がずらり。私の中には初めて聴いた時シンセサイザー、イコール冨田勲みたいなところがあって、リック・ウェイクマンの作品がなんと平坦に聞えたことか(笑)。それがやっとオリジナル音源で立体的に聴くことができるわけです(2015)

 1975年に発表されたリック・ウェイクマンの2ndアルバム。邦題は『アーサー王と円卓の騎士たち』。1stと同時にこのQuad Mixを収録したDVD-Audio(でしょ?)がボーナス・ディスクとしてついて来ているので、私はそれを目当てに購入しました。
  ジャケットのDELUXE Editionという帯が見えますが、これがクセモノで、トレーシングペーパー的な帯かと思いきや、なんとテープ。これががっちりと取り囲んでいて、カッターかなにかでこれを切らないと見開きのジャケットが開かない仕掛けになっています。しかも粘着力が強いので取れないし… まぁ、音質に影響が有るものでもないので、あまり気にしてはいませんが、せっかくのジャケットが台無しじゃん、と思っています。
  そんなことよりもQuad Mix!ある程度音量を挙げられる環境なら文句ありませんが、そうでない環境。例えば音を挙げられない夜にしか聴けないとか、いろいろ。これは大音量で聴きたい音楽ですね。リックの打鍵が聞こえて来るような勢いには驚きました。ただ、音量を上げて聴くと、それなりにオリジナルのテープヒスが目立って来ます。これを除去すると、音の抜けが良くなくなるのかもしれませんが、大音量で聴いている時は、気になります(ジャケットのテープは気にしない)。(2015)

 

 生まれて初めてのプログレマルチ体験は、このピンク・フロイドの『狂気』でした(ちなみに全ディスクの中ではDire Straitsの『BROTHERS IN ARMS』)。
  この普段見るジャケットとは違い、青い、おそらくはプリズムの後に隠れているであろう月の姿や、木々のシルエットに違和感を覚えながらもセットして鳴らしたことを思い出します。


 もっとあってもよさそうなフロイドのSACD(マルチ)なのに『狂気』に続く「まだ」二枚目。しかも、クリムゾンのようにプロダクションが統一されておらず、バラバラ。このあとのロジャー・ウォータズの『死滅遊戯』とは一緒のAnalog Productionなので、続くのかなぁと期待していたら、続く気配なく… この『あなたがここにいてほしい』は佳曲ぞろいで、音に取り囲まれる体験は、マルチの醍醐味。

 

FISH OUT OF WATER/ Chris Squire(1975)

 2015年に亡くなった史上最強のベーシスト、クリス・スクワイアが1975年にリリースしたソロ。ギターがなく、リード・ベースがブイブイうなるとともに、盟友ジョンとの絶妙な(声質の全く異なる)ハーモニーが、初めてリード・ヴォーカルと言うスタイルでお目見えした、非常に興味深いアルバム。クリスの声は、確かにリードを務めるにしては、ちょっと物足りないと言うか、心もとないと言うか… お世辞にもうまいとは言えない、いや、これは稀代のヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンがいつもそばにいるから思うだけなのかもしれません。

 さて、このディスクは、アナログ、アナログシングル2枚、CD2枚、DVD2枚。このうち、DVDが映像とオーディオとそれぞれが1枚ずつで、マルチ・ファンとしてはこの1枚のために、デラックス・ボックスを買う羽目に(笑)。とは言っても、ファンならば手元においておきたい一品と言えるのではないでしょうか。ボーナスディスクの映像(ライヴ)は、2007年にデラックス番に収まっている映像なので、あまり新鮮みは有りません。

 

Yesのページ