マルチチャンネルなプログレッシブ・ロック |
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プログレッシブ・ロックって、割と好きです。クラシック音楽の要素とロックのテイストがブレンドされたような… そしてこのジャンルがもっとも似合うサウンドは、最近認知度が広がってきた「マルチチャンネル」という方式。イエスとか、フロイドとか、(ジョン・ウェットン在席の)クリムゾンとか… ここではそういったアーティストたちのアルバムを、そして、やはりこうしたマルチ・サラウンドになったアルバムを紹介します。 |
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邦題は『暗黒の世界』。何となくキッスにも通じそうなアルバムタイトルだなぁ、と追いつつも個人的にはクリムゾンのジョン・ウェットン三部作の中で、もっとも地味なアルバムと感じるワタクシ。ヴォーカルとインストが絡むアルバム構成は、前作から踏襲されたスタイルです。今から考えて見ると、前作と同じメンバーで制作されたことは軌跡に近い現象だったのかも(2011) |
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それまでの硬派な布陣(3人というトリオからして硬派?)から一変して、なんともグニャグニャなサウンドを聴かせるメンバー(笑)。ギターにはなんとエイドリアン・ブリュー(CMに出ちゃうしね)、ベースにはスティック・ベースのトニー・レヴィン(彼は今、ウィル・アッカーマンのスタジオ・ミュージシャンとして雇われている?)。ドラムは変わらずビル・ブラッフォードに、御大ロバート・フィリップ。玄人集団と言うメンツでいえば、抜けたウェットンが結成したUKに対抗しているのでは、などと考えてしまいました。そのUKにもブラッフォードいるし。どうなってんだプログレと思いつつ、こうした交流試合的な応酬は大好きです。(2011) |
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順番は前後しますが、クリムゾンに続く形でウティーヴ・ウィルソンが手がけたマルチサウンドの対象は、いよいよイエスに向いてくれました。このサードアルバムは、『危機』に次いで2枚目です。バンドのマルチサウンド第二弾は「こわれもの」に行くと思いきや、その前のトニー・ケイが中心(笑)、スティーヴ・ハウ加入後のアルバムが選ばれました。時分ではDVD-Audioで注文したつもりだったのですが、ブルーレイで届きました。まぁ、再生もできるし、コンテンツもDAよりも多いからいいか、と思っていますが、棚に並べた時の違和感が… 音はこれまで以上にないぐらいの臨場感ありで文句なしです。(2014) 追記 なんだかんだでDVD-Aを見つけたので購入してしまいました… |
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今ミックスは、もしかしたら外されるのではないかと懸念していた、イエスを代表するアルバム。日本でもDVD-Audioとしてリマスターでリリースされたこともありますが、できることなら同一のエンジニアに手がけてもらった方が、サウンドも統一されていて聞きやすい者です(精神的にもね)。といわけで、やっとこの大傑作がリ・イシューされました。正確にはプログレッシブロックを代表するアルバム。当初、スティーヴ・ウィルソンは「自分の好きなアルバムだけをチョイスしている」ということを言っていただけに、このアルバムの名前が見当たらなかった時、「好きじゃねーのか」と残念に思っていたのですが、もしかしたらクリスの死が、彼にやる気を起こさせたのだとしたら、ちょっと皮肉だ。何と言っても、クリスのトレードマークであるベースがゴリゴリと鳴っているから。 メンバーそれぞれのソロをフューチャーされた作品だけに、その楽器一つ一つの音がクリアに分離されて再生されます。演奏にごまかしのきかないフォーマットが登場し、されにクレイジーなアーティストたちのプレイが迫ってくるようです(2015) 追記 2015年、クリス・スクワイアが亡くなった。私のいちばん好きだったベーシスト。昨年、息子と、オリジナルメンバーではなかったけれど、好きなバンドを一緒に見られて良かったと思う。そしてそれが最後の彼を眺める機会になってしまったのは、本当に寂しい。 |
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クリムゾンのDVD-Audio化にあたった同じプロダクション(Steve Wilson)の手によるイエスの作品がとうとう彼の手に掛かってDVD-Audio化されるようになりました。今まで、あまり音質にこだわるようなバンドではなかったので、出来ることなら日本がSACD化したように、1970年代に発表した全作品をDVD-Audio化してもらいたいものです。 すでに日本をはじめ、Audio FidelityからもSACD化されているアルバムなので、できることならほかのアルバムから始めてくれれば良かったのにい、と思ってしまいましたが、これ以降とりあえず70年代のアルバムを進めていくようなので、とりあえずこの版が決定打と言えるのではないでしょうか?(2013) 追記 2022年は『危機』リリース50周年ということで、彼等の最近のトレンドになっている「全曲演奏」を引っさげて来日しました。メンバーは、当時の面々からは随分様変わりしてしまいましたが、サウンドは50年前のレコードと変わらず。リックが「オーケストラ」といった意味が重みを増しています。来日メンバーは以下の通り。 Jon Davison; Vocals Steve Howe; Guitars, Vocals Billy Sherwood ; Bass, Vocals Geoff Downes; Keyboards Jay Schellen; Drums |
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イエスのDVD-Audio第三弾は待ってましたの「リレイヤー」。個人的には「ドラマ」か今作を願っていたので、彼(Steve Wilson)のブログにこのジャケットが表示されたときには鳥肌が立ちました。なんでも好きなアルバムしか手掛けないとかコメントしているので、なんだかこういう選択は嬉しくなってしまいます。(2014) Jon Anderson; Vocals Steve Howe; Guitars, Vocals Chris Squire; Bass, Vocals Patrick Moraz; Keyboards Alan White; Drums 追記 2023年に全曲演奏ツアーが行なわれるとイエスの公式ページ(yesworld)から告知されました。 |
イエスから脱退したリックのソロ第2弾。邦題は1stと同じ路線で『アーサー王と円卓の騎士たち』。1stと同時にこのQuad Mixを収録したDVD-Audio(でしょ?)がボーナス・ディスクとしてついて来ているので、私はそれを目当てに購入しました。 |
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THE QUEST/ Yes(2021) |
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2014年の『HEAVEN & EARTH』以来7年ぶり、クリス亡き後の初めてとなるアルバムです。その間もいろいろなプロジェクトを立ち上げていたから、もうそんなになるのか… と時間の経つのが早いこと。先のArc of Lifeという活動をはじめた若手イエス・メンの活動に触発されたのか、本家が再び始動。プロデュースもハウが行なってます。イニシアチブを握ったス ティーヴ色が強く、今までにないぐらい、ヴォーカルのキーが低い(笑)。そしてクリスの後任として、その重圧にも答えながら、クリスっぽいベースを奏でる ビリーのがんばりが凄まじいばかりです。 |
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