モーリス・ラヴェル(1875-1937)ぐらいの作曲家になってくると、さすがにピリオド楽器は新しすぎるんじゃないかと思っていましたが、なかなか世の中は広い(笑)。探せば結構出てくるもので(といっても、思っていたほどのレコーディングはなく、やはり少ないかな…)、ここでは、そんなラヴェルの作品をピリオド楽器で演奏したピアノ・アルバムを紹介します。 同時代のドビュッシーやサティらと違って、オール・ラヴェルのピアノ・アルバムがないというのは、時代が新しすぎるのでしょうか? 選ばれているピアノを見ても、なかなか作曲当時の年代のピアノというわけにはいかないようです。 |
美しいアップライトピアノ〜連弾の悦び〜 (浜松市楽器博物館 コレクション・シリーズ53) |
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ラヴェル以外にも興味深い作品のピリオド楽器による演奏。ドビュッシーやフォーレなんか、個人的に親しんでいる曲も収録されていてお得な一枚。これを企画したのは浜松市楽器博物館。ここで聴くことの出来るラヴェルの作品は、連弾作品の傑作といっても過言ではない♪マ・メール・ロワ。使用楽器はジラーフ・ピアノで1830年ごろに制作されたアップライト。アップライトでの演奏ばかりを集めた一枚で、グランドピアノとは違った古楽の響きが、古楽ファンの私の耳をくすぐる(笑)。とはいえ、作曲家も生まれる前のピアノなのでちょっと複雑な心境。古ければいいってもんでもなく、この考えでいけば、チェンバロ演奏だって構わないことになってしまう。 ちなみにこのアルバムに収録されている♪マ・メール・ロワは、1908〜1910に掛けての作曲。かつて誰かがこのピアノを使って奏していたら、ピアノは懐かしんで音を奏でてくれたのかもしれません。 |
ラ・カンパネラ 〜エラールピアノ、音の世界〜 (浜松市楽器博物館 コレクション・シリーズ30) |
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アルバムタイトルが「ラ・カンパネラ」にカモフラージュされ、最近までラヴェルが収録されているとは知らなかった一枚。ラヴェルのピアノ作品の代表でもある♪亡き王女のためのパヴァーヌと、私が個人的にラヴェルの作品で一番好きな♪クープランの墓が収録。 ちなみにこのアルバムに収録されている♪亡き王女のためのパヴァーヌは、ラヴェルの中では古い作曲になり1899年の作曲。♪クープランの墓は1914〜1917の作曲。 |
ラ・ヴァルス 〜華麗なるデュオ・ピアノの芸術〜 (浜松市楽器博物館 コレクション・シリーズ31) |
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先ずジャケットのピアノに目が行ってしまいました。支え棒が更に目の錯覚を誘う感じ? まるで鏡に反射しているような錯覚になってしまいます。これも1台のピアノ。ここでは管弦楽作品としてもポピュラーな♪ラヴァルスが取り上げられました。他にドビュッシーのリンダラハも収録されているのは嬉しいところ。 ラヴェルの♪ラ・ヴァルスは1919−1920に掛けて作曲されたバレエ用の管弦楽。このピアノ版は管弦楽版初演に先駆けて、ラヴェル自身と作曲家のアルフレード・カゼッラ(イタリア)の二人によって初演されました(オリジナル版であるバレエの初演はその2ヶ月後)作曲され、初演されました。ドビュッシーのリンダラハは1901年の作曲。 |
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四手ピアノのためのフランス作品集(2010)
/ Elaine Greenfield & Janice Meyer Thompson |
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2000年にブリュトナーで『前奏曲第1巻、第2巻』をレコーディングしてくれたグリーンフィールドが、今度は(エレガントエラール1887年製)を、Janice Meyer Thompsonと4手のためのフランス作品をレコーディングしてくれました(4手連弾なのでピアノは1台)。このアルバムにはラヴェルの♪マ・メール・ロアが収録されています。 |
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〜 ラベルのピリオド楽器による演奏は、管弦楽作品にもおよび始めました 〜
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