星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)


星の夜(テオドール・ド・バンヴィル)

星の夜には
きみのヴェールの下
きみのそよ風ときみの香りの下
悲しい竪琴が
ため息ついたら
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ


透き通ったメランコリーがやって来て
心の奥に花を咲かせると
ぼくは聴く
恋人の魂が夢の森の中で震えているのを


星の夜には
きみのヴェールの下
きみのそよ風ときみの香りの下
悲しい竪琴が
ため息ついたら
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ


ぼくらの噴水の前でぼくは思い出す
きみの瞳の青が空のようであることを
そしてこの星たちがきみの瞳であることを


星の夜には
きみのヴェールの下
きみのそよ風ときみの香りの下
悲しい竪琴が
ため息ついたら
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ
ぼくは過ぎた恋を夢に見るのだ


 ドビュッシーがテオドール・ド・バンヴィル(1823-1891)の詩に作曲した「星の夜」あるいは「星の輝く夜」は、彼の歌曲の中でも一聴しただけでメロディを口ずさめそうなほどポピュラーな旋律をもった一曲です。
  特に星好きの私は歌詞を詮索してしまうのですが、歌の主人公「ぼく」はオルフェウスであり、「きみ」はエウリディケのことだろうと思ってしまいました。この連想はいたって簡単で、歌詞の中に「竪琴」というキーワードが入っているからに他なりません。歌詞を読む前からタイトルや、それに似合ったピアノの旋律が、星の輝き、瞬きを思い浮かばない方が「どうかしてんだろ〜」という感じです。


ソプラノ:ベロニク・ディーチー

ピアノ:フィリップ・カッサール



-1993-
ソプラノ:ヴェロニク・ジャンス

ピアノ:ロジャー・ヴィニョールズ


-2000-
ソプラノ:ディアナ・ダムラウ

ハープ:グザヴィエ・ドゥ・メストレ


-2008-
ソプラノ:ナタリー・デセイ

ピアノ:フィリップ・カッサール


-2012-
ソプラノ:ジュリー・シェリエ=ホフマン

ピアノ:フレデリック・シャスラン


-2020-

もともとは歌曲として作曲されましたが、だからこそ器楽への編曲も行なわれています。

フルート:ジョナータ・ズガンバロ

ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル



-1993-
チェロ:藤森亮一

ピアノ:カール=アンドレアス・コリー


-2000-
ピアノ:マイケル・レヴィン


-2014-



 ドビュッシーが18歳の時にメロディをつけて作曲された単品。私はドビュッシーの作品しか知らなかったのですが、バンヴィルのこの詩に、もう一人メロディをつけていた作曲家がいました。オルガンの作品が有名なシャルル=マリー・ヴィドール(1844-1937)が、1880年に出版した歌曲集『6つの歌曲集 Op.14』の第1曲に、ドビュッシーに引けを取らないほどのピアノ伴奏をつけて星空を再現してくれていました。


ソプラノ:レベッカ・ワスコー・ヘイズ

ピアノ:スーザン・マクダニエル



-2020-


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