指揮者とオーケストラが最後までコンビを組んで全集を成し遂げたシャイー(Riccardo Chailly, 1953-)。これはそのシリーズの第一弾となるレコーディングとなりました。
シャイーのマーラーは、若手(?)の中にあって、名門コンセルトヘボウを鳴らし切ったオーソドックスなマーラーで、バーンスタイン、ショルティ、アバドなどとは異なり、万人に受けそうな演奏かもしれません。
例のハンマー部分は、うっかりすると聞きそびれてしまいそうです。2発目のハンマーにはその面影も無く、大太鼓の音のよう。ここにこだわってしまうとちょっとつまんないかも。
とはいっても、シャイーのマーラーチクルスは、いろいろと凝っていて、ジャケットの統一感に目が奪われてしまいます。アバドのシリーズやブーレーズのそれが途中で変更になってしまったことを思えば嬉しい完結です(笑)。そしてなにより、カップリングで収録される同時代の(マーラー信望者)作曲家による歌曲などが収録されていることでしょう。これが面白い。マーラーの演奏よりそっちが気になって仕方ありません。
♪シャイーのハンマー♪
12'59''/17'44''(第4楽章;30'58'') |