1987年に、この曲のピアノ伴奏の楽譜が見つかったニュースは、たいそう衝撃的な驚きを持って受け止められたような気がします。まだ、マーラーを聴きはじめてから時間も経っていなかったので、その大きさたるや理解できませんでしたが、テレビで本邦初演が日本で行われる、というニュースには驚きました。その時の伴奏者はウォルフガング・サバリッシュという人選(この人、マーラーなんて演るの?って)が、そもそも私にとっての驚きだったのです。
「えー、指揮者なのに!」って感じで。ヴォーカルの2名は、アバドの第九(1986)で揃って歌ってましたね。
初演:1989年5月15日
場所:国立音楽大学講堂(東京)
テノール:エスタ・ヴィンベルイ
メゾ・ソプラノ:マリャーナ・リポフシェク
ピアノ:ウォルフガング・サバリッシュでした。
さて、この版が初めてレコーディングされたのは、ベートーヴェン/リスト編曲の交響曲ピアノ版でマニアックなファン以外にも名が知られるようになったシプリアン・カツァリスが伴奏を務めたアルバムでした(海外版は声楽の2名がジャケットになってます)。その後も幾つかのレコーディングは存在するようですが、私の知る限りでは、どういうわけか日本人の演奏ばかり。平松英子(ソプラノ)と野平一郎(ピアノ)の二人による演奏で、ソプラノが独唱する変わり種のレコード(テノールのカウマンの先駆けですね)と西松甫味子(ソプラノ)と伊達英二(テノール)と古川泰子(ピアノ) という正統派(?)の2枚。
そして久々にピアノ版でリリースされたのが、なんと男声2名のレコードです。
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