ドビュッシーの愛聴盤
ドビュッシーはオーケストラの色彩が非常に豊かでした。音楽の教科書に紹介されているように『牧神の午後への前奏曲』などの表現は、まさに新しい時代への幕開け的な作品です。しかし多くの作曲家と同様に、それらオーケストラ作品とて、アイデアはピアノから生まれたようです。彼の作品のほとんどがピアノから作られたと言っても過言ではないのです。 ここではドビュッシーの東洋的な響きに魅せられた僕が、彼の作品は全てピアノで聴いてみたい、という思いから漁ったアルバムを紹介します。とくに『牧神の午後への前奏曲』『海』『夜想曲』の3曲は彼の代表的なオーケストラ作品で、よくこの組み合わせでアルバムがリリースされています。 |
COMPLETE MUSIC FOR TWO PIANOS |
白と黒で(1915) 牧神の午後への前奏曲(1895) リンダラハ(1901) 夜想曲(モーリス・ラヴェル編曲) 聖なる舞曲と世俗の舞曲(1904) COOMBS AND SCOTT |
このアルバムのハイライトはなんといっても作曲者自身の「2台のピアノによる」編曲の『牧神の〜』と、後輩にあたるラヴェルが編曲した『夜想曲』です。特に夜想曲の方はドビュッシー以上にドビュッシー的なアレンジが鳥肌ものです。 |
LA MER |
海(1888) 主題によるスコットランド行進曲(1891) 小組曲(1888/89) 6つの古代の墓碑銘(1900/14) DUO CROMMELYNCK
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これまでドビュッシーのピアノ作品と言えば、そのほとんどがソロ作品(独奏)に限っていましたが、フランスのベロフとコラールがまとめて2台ピアノの作品をリリースしてくれて久しく、もっぱらリリースされるのは独奏のレコードばかりでした。それが、このおしどりピアノ・デュオ・チームにより新たなレコーディングが行なわれ、しかもオーケストラ作品として有名な『海』の、おそらく初録音は衝撃的でした。 |