星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

ドビュッシーの室内楽

 ドビュッシーの作品は、楽器の組み合わせによる不思議な響きの、美しい楽曲が、数は多くはありませんが作曲されました。ただ、残念なことにコンサート向きではない曲が多く、生で接する機会は、あまりありません。

  しかしCDの時代になって、輸入盤が数多く紹介され、いままで本の中で文章で読み、そこから想像される響きを楽しむことしかできなかった曲たちを、ほぼすべて聴く事ができるようなりました(喜)。

 

 

フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1916)
Philippe Bernold ; Flute
Bruno Pasquie ; Alto
Frederique Cambreling ; Harpe

ヴァイオリンソナタ(1917)
Regis Pasquie ; Violin
Pascal Roge ; Piano

チェロソナタニ短調(1915)
Fransois Guye ; Violoncelle
Pascal Roge ; Piano

Recoeded on Sept 23-26 1988.
ADDA 581103

 このADDAからリリースされたシリーズは、私をドビュッシー以外の作曲家に目を向けさせたきっかけを作ってくれた企画でした。このアルバムは、そんなシリーズの中の一枚、ドビュッシーが晩年になって書き上げた3つのソナタが収録しているお得盤です。演奏者全員がドビュッシーと同郷のフランス人、というだけで何か特別な響きを感じてしまいます。

 

 

序奏とアレグロ(1888/89903/05)
亡き王女のためのパヴァーヌ(1891)
ヴァイオリンとチェロのためのソナタ(1888/89)
シランクス(1900/14) Wolfgang Schulz
フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1916)
Wolfgang Schulz; Flute
Wolmfram Chist ; Viola
Margit-Anna Sus ; Harpe
ビリティスの歌(1900)
Catherine Deneuve ; Recitante
Margit-Anna Sus,Adelgeid Blovsky-Miller ; Harpe
Wolfgang Schulz,Hans Wolfgang Dunschede ; Flute
Rolf Koenen ; Celesta

Recoeded on Aug.1989.
POCG-1056

 このアルバムは素晴らしい!というのも、なかなか実演さえも稀で、レコードでもほとんど見かけない『ビリティスの歌』が収録されている点であり、朗読をフランスの大女優カトリーヌ・ドヌープが担当しているからです(ギリシア神話が好きな方なら、その雰囲気だけでも味わって欲しい)。
  それ以外にもドビュッシーとラヴェルの室内楽が(レコードで言えばA面/B面にそれぞれ収められていますが、ファンなら『ビリティスの歌』のためだけでもお薦めです。『フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ』の冒頭に現れるフルートからヴィオラに受け継がれる瞬間の妙は鳥肌ものです。

 ちなみに、このピエール・ルイスの『ビリティスの歌』はドビュッシーの友人の創作で、当時は「全く新しい女性詩人の抒情詩が見つかった」という宣伝がなされました。現在沓掛良彦氏の訳で読むことができます。

 

 

フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1916)
Philippe Bernold ; Flute
Gerard Causse ; Alto
Ssabelle Moretti ; Harpe
シランクス(1913/Tra.1927)
牧神の午後への前奏曲(1894/Tra.1925)
Philippe Bernold ; Flute
Ariane Jacob ; Piano
ビリティスの歌(1900)
Irene Jacob ; Recitante
Philippe Bernold ; Flute
Mathieu Dufour ; Flute II
Ssabelle Moretti ; Harpe
Germaine Lorenzini ; Harpe II
シランクス[パンの笛](1913)

Recoeded on Sep. 1997.
harmonia mundi france HMC 901647

Philippe Bernold ; Flute
 ADDAシリーズの「フランスの作曲家シリーズ」にも参加しているPhilippe Bernoldのフルートが主役のアルバムです。特にシランクスは2ヴァージョン収録されていますが、最初の版は1927年にピアノ伴奏の編曲版で、最後に収録されているのはガブリエル・ムーレの劇『プシュケ』のための付随音楽として書かれたナレーション入りの版です。
 このアルバム全体に流れる雰囲気は『牧神の午後への前奏曲』『シランクス』にしろ『ビリティスの歌』やはりギリシア神話でしょうか。ビリティスでナレーションを担当しているのはイレーヌ・ヤコブです。カトリーヌ・ドヌープと比べるとやや線が細く感じるので、こちらはアルテミスなどの女神に仕える侍女といった感じでしょうか。

 

 

序奏とアレグロ
ヒースの荒れ地*
亜麻色の髪の乙女*
星のきらめき
亡き王女のためのパヴァーヌ*
ハイドンの主題による幻想曲
前奏曲第2番*
アラベスク第1番*
神聖な舞曲と世俗的な舞曲
*arr. Kondonassis

Recoeded on Nov 23-25 1992.
PHCT-5103

 ドビュッシー以外にもラヴェルや、ハープのために書かれたオリジナルの楽曲も含んでいますが、私が今アルバムを好きな理由に“ヒースの荒れ地”が収録されているからです。あまり編曲モノは好きではありませんが、この曲のイメージがハープでも崩れることはないな、という理由から良く聴いています。
 それからオープニングとエンディングに配置された曲目もよく考えられていて、エラール社がラヴェルに依託したペダル・ハープのための『序奏とアレグロ』、そしてプレイエル社がドビュッシーに依託したクロマティック・ハープのための『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』が対比するように収録されている点です。しかしながら楽器の使い分けをして演奏しているわけではないので、できればそこまでこだわって欲しかった。

 

 

 

弦楽四重奏曲
神聖な舞曲と世俗的な舞曲
ピアノ三重奏曲

 

 シャンドスにピアノ作品全集を録音しているジャン=エフラム・バウゼがピアノ三重奏曲で客演しています。この曲自体珍しいレコーディングとなるわけですが、♪神聖な舞曲と世俗的な舞曲と♪夢は、 室内楽編曲版。

 

 

ドビュッシー
フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ

アラン・ルーヴィエ
エンヴォル・デカイユ

ドビュッシー
6つの古代の墓碑銘(フランシス・ピエール編)

 ドビュッシーの「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」と同じ編成の♪エンヴォル・デカイユと、オリジナルはピアノ連弾のために作曲された♪6つの古代の墓碑銘をフルート、ヴィオラとハープのために編曲された珍しいアルバム。

 

 

ヴァイオリン・ソナタ ト短調
チェロ・ソナタ ニ短調
フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ
シリンクス

 ボストン交響楽団のから抜粋されたメンバー、ジョゼフ・シルヴァースタイン(Vn)、ジュール・エスキン(Vc)、バートン・ファイン(Va)、ドゥリオ・アントニー・ドゥワイヤー(Fl)、アン・ホブスン(Hp)にドビュッシー。更にティルソン・トーマスがピアノで参加という異色のアルバム。しかもSACD !

 


弦楽四重奏曲

Debussy;
弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10

Ravel;
弦楽四重奏曲 ヘ長調

Recoeded on Apr 1984(Debussy), Dec 1984(Ravel).

 この曲を最初に聴いたのは、フランスのエスプリシリーズだったパレナン四重奏団のレコード。その後、ランキングの書評などを参考にやって来た(笑)のが、このドイツの団体によるレコードでした。確かに彼らのレコードは、ドイツものばかり(ベートーヴェンやシューベルト)が多く、最近では名前の由来になっているベルクや、その周辺の現代音楽ばかりを聴いていました。


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