星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 最近、にわかに脚光が浴びてきたロッラ(と思っているのは私だけ?)。数年前にたまたま購入したアルバムで初めてその存在を知ったのですが、まさかこんなにも立派な経歴な作曲家だったとは思いもしませんでした。私にとっては、バロックから探し求めている器楽同志のデュオという最小ユニットによる合奏を、ロッラは数多く書いてくれているので、かなりお気に入りの作曲家です。というわけで彼の略歴など…

 アレッサンドロ・ロッラは、ヴァイオリンの名手として名を馳せているジョバンニ・ヴァッティスタ・ヴィオッティ(1755-1824)ニコロ・パガニーニ(1782-1840)それぞれと活躍時期が重なります。この3人の共通点はヴァイオリニスト兼作曲家というところでしょうか。私が使っている音楽史の本では残念ながらロッラの紹介はなく、アルバムのインナー(英文であれば良いのですが、やはりクラシックの本場はヨーロッパが多く、イタリア語だったりフランス語だったりドイツ語だったりするとお手上げです)。

Alessal;ndro Rolla
DUETTI
PER DUE VIOLINI


Quian Zhou; Violin
Vilmos Szabadi; Violin

   

二梃ヴァイオリンのための二重奏曲
(Duets for two Violins)

第1番 変ホ長調
(Duet No.1 in E flat major)
I. Allegro / II. Andante / III. Allegro

第2番 ヘ長調
(Duet No.2 in F major)
I. Allegro/ II. Adagio / III. Rondo. Allegro

第3番 イ長調
(Duet No.3 in A major)
I. Allegro maestoso / II. Andante un poco Sostenuto / III. Allegro

協奏的二重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.17-2
(Concertant duets for two Violins, Op.17 Duet No.2 in F major)
I. Andante / II. Tempo di Polacca

 ロッラの二重奏としては珍しい二梃のヴァイオリンのための二重奏です。シュターミッツでお世話(笑)になっているVilmos Szabadiが今回パートナーに選んだのはQuian Zhou。ヴィオラがヴァイオリンを支えるようなハーモニーではなく、共に歌を分かち合うような、競い合うようなウキウキするようなメロディに舞い上がりそうです。星空を眺めている時に傍らで奏でられると何度も何度も繰り返しています。

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Alessandro Rolla
GRAN DUETTI
CONCERTANTI OP.15 FOR VIOLIN AND VIOLA

CDS 252


Salvatore Accardo ; Violin
Luigi Alberto ; Viola

   

ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
(Tre Duetti Concertanti Op.15 for Violin and Viola)

二重奏曲 第1番 変ホ長調
I. Allegro / II. Adagio ma non troppo / III. Allegretto / IV. Rondo alla Polacca

二重奏曲 第2番 変イ長調
I. Allegro moderato/ II. Andante sostenuto / III. Rondo(Allegro)

二重奏曲 第3番 ハ長調
I. Allegro / II. Andante / III. Andantino(Theme by M.Carafa) / IV. Rondo(Presto)

 名手アッカルドの新録?と思っていたら、レコーディングは1972年。名盤の復活というところでしょうか? 私にとっては初めてのロッラだったのですが、他の作品も聴くようになると、ロッラらしいリズミカルでメロディアスにあふれたなデュエットという感じで、ちょいちょい聴きたくなる一枚。すべてが長調と言うのも元気がいい(?)

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Alessandro Rolla
3 DUOS FOR VIOLIN & VIOLONCELLO/p>

CPO 999 964-2



Dora Bratchkova; Violin
Alina Kudelvic; Cello

 あたかもカルテットを聴いているようなハーモニーで、チェロという低音の影響でヴァイオリンの明るい音色が引き立っています。それぞれがソロを受け持つパートが交互に現れ、単楽器に偏ることなくバランスの良い楽曲という印象です。聴いていて心地よくなってきます。

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PAGANINI ROLLA

VKJK-0318



Vera Hilger; Violin
Norbert Hilger; Cello

 



Alessandro Rolla
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
(The Duetti a Violino e violoncello, 1818)

第1番 ロ長調
(Duet No.1 B-Dur)
I. Allegro / II. Andantino / III. Polonese

第2番 ハ長調
(Duet No.2 C-Dur)
I. Allegro/ II. Andante / III. Rondo(Allegretto)

第3番 イ長調
(Duet No.3 A-Dur)
I. Allegro moderao / II. Andante mossoo / III. Rondo(Allegro mosso)

Niccolo Paganini(1782-1840)
ヴァイオリンとチェロのための協奏的二重奏曲
(The Duetti concertanti per violino e violoncello, 1802)
第1番 変ホ長調
(Duet No.1 Es-Dur)
I. Allegro / II. Rondo(Allegretto)

第2番 ト短調
(Duet No.2 g-Moll)
I. Allegro/ II. Andante / III. Rondo(Allegretto)

第3番 イ長調
(Duet No.3 A-Dur)
I. Allegro moderao / II. Andante mossoo / III. Rondo(Allegro mosso)

協奏的二重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.17-2
(Concertant duets for two Violins, Op.17 Duet No.2 in F major)
I. Andante / II. Tempo di Polacca

 シンプルに『PAGANINI ROLLA』と題された2枚組のアルバムには、ロッラと後輩にあたるパガニーニとのヴァイオリンとチェロの二重奏曲が交互に収録されています。上の記載順ではなく、ディスク1にはロッラの第1番、パガニーニの第1番、ロッラの第2番。ディスク2にはパガニーニの第2番、ロッラの第3番、パガニーニの第3番、パガニーニのロンド、という具合に。ジャケットがクラシックには思えないような現代風?ニューエイジ風なデザインじゃないかと思います。

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Alessandro Rolla
Sei duetti a due viole

TC 751803

Franceso Lattuada; Viola
Carlo Barato; Viola

 まさか、こういう組み合わせまであるとは思もいませんでしたが、結局は高音を弾くことで高低のハーモニーになります。ただし、ヴァイオリンと比べると、ヴィオラの音色はいささか渋めの声ですので、やはり味わい深いハーモニーを聴かせてくれます。他にシュターミッツもこの組み合わせのデュオを書いています。

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Alessandro Rolla
Duetti per flauto e violino

TC 751801

Daniele Ruggieri; Flauto
Marco Rogliano; Violin

 長い間この組み合わせを探し続け、ようやく発見した作品集!しかもロッラです。今まであってもよさそうな組み合わせでしたが、なかなか難しいのでしょうか。しかしロッラはやってくれました。2台のヴァイオリンだと、その音域が同一だから埋もれてしまうこともあるかもしれませんが、ここではフルートがメロディを奏でているときにはヴァイオリンは通奏低音、ヴァイオリンがメロディを奏でているときにはフルートが逆の音型を奏でています。その絡みは巧みで、音色が違うだけにその絶妙なハーモニーは筆舌に尽くしがたいものがあります。
ずい分経ってから、テレマンでもこの楽器の組み合わせを見つけて喜んでおります(笑)。

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Alessandro Rolla
TRIO CONBERTANTE OP.1

HCD 32020-21

Budapest String Trio
Ferenc Kiss; Violin
Sandor Papp; Viola
Balazs Kantor; Cello

 ロッラの作品番号1は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏曲。古典派初期の穏やかな楽章。星空をゆっくり眺めたい時にはピッタリの曲想が並びます。


協奏的弦楽三重奏曲 Op.1
(String Trio)

協奏的弦楽三重奏曲 第1番 ロ短調 Op.1-1
I. Allegro assai / II. Largo ma non troppo / III. Rondo: Allegro

協奏的弦楽三重奏曲 第2番 イ長調 Op.1-2
I. Allegro brillante / II. Andante sostenuto / III. Rondo: Presto

協奏的弦楽三重奏曲 第3番 変ホ長調 Op.1-3
I. Allegro / II. Andante mosso con variazioni / III. Rondo: Prestissimo

協奏的弦楽三重奏曲 第4番 ヘ長調 Op.1-4
I. Allegro / II. Thema con variazioni / III. Rondo: Allegro

協奏的弦楽三重奏曲 第5番 ハ長調 Op.1-5
I. Allegro / II. Adagio ma non tanto / III. Rondo: Allegro

協奏的弦楽三重奏曲 第6番 ト長調 Op.1-6
I. Allegro vivo / II. Thema con variazioni / III. Rondo: Presto

 ロッラ43才の時の作品。単に弦楽三重奏曲ではなく、協奏的三重奏曲と銘打たれています。

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Alessandro Rolla(1757-1841)

〜1750年代生まれの作曲家〜
Antonio Salieri(1750-1825)
Muzio Clementi(1752-1832)
Giovanni Battista Viotti(1755-1824)
Wolfgang Amadeus Mozart(1756-1791)
Ignace Pleyel(1757-1831)
François Devienne (1759-1803)
 
 アレッサンドロ・ロッラが活動していた時代の天文の世界を覗いてみると、望遠鏡などの技術革新が起こったことが引き金となって、現代天文学を切り開く発見が数多くニュースになりました。特に音楽界と天文学の交差する出来事として、ミヒャエル・ハイドンの1つ年下の作曲家ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)が趣味の中で発見した天王星の発見でしょう。

 彼の世界、つまり音楽界はベートーヴェンが楽壇にデビューしてから新しい風が吹き荒れ、古典派からロマン派への架け橋が架けられることになります。それに感化された新鋭の作曲家も次々と登場しました。そして、天文学の世界でもおこった技術革新は、産業革命後の音楽界にも影響を与え、次々と新しい楽器、改良された楽器が生み出されました。

ロッラの音楽史、天文学史

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ロッラについて
♪参考資料♪
該当書籍なし

天文学史
★参考資料★
星の年表(斉田博/誠文堂新光社)
天文学史(中山茂編/恒星社)

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