Photo by Toshiharu Minagawa.
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なんというジャケットセンスの良さ!まずそこに目が向いてしまいました。レコード針を降ろしたときに“音楽と風景が一つになった”という言葉を強く思い起こさせ、まさに水しぶきを連想させる音の万華鏡。たとえていうなら、ハスの葉の上をコロコロと転がり、まるで水滴が自分の意志でもってダンスを踊っているかのような一音一音の瑞々しさ。風景や情景を題材にすることの多いウィンダム・ヒルの中でも、きわめて珍しくマクロの世界をのぞき込んでいるようです。以前紹介したアイラ・スタインとラッセル・ウォルダーの『エレメンツ』と共通する点がありますが、こっちはもっと小さな水の世界を描いているようです。 このウィンダム・ヒルからリリースされたアルバムは、このアルバムの一つ前、『THUNDERHEAD』の中からのリ・レコーディング(前作はGrey Larsenとのコラボ)したものが多く含まれていますが、“St.Basil's Hymn”は特に、ジョージ・ウィンストンが『DECEMBER』の中でも紹介しているとおり、同アルバムの“Minstreis”に多大なインスパイアを与えています。 ハンマー・ダルシマーは一聴すると、チェンバロのような金属的な音に聞こえますが、種類は打楽器に属しています。実はこのダルシマーはのちにチェンバロやピアノへと変貌する歴史を持つというので、そういった音がするのは当然かもしれません。だからラストに収録されている曲などは、説明されない限り、誰もがピアノだと思うでしょう。限りなくピアノに近い音に聞こえます。 |
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〜ソロ〜 〜メタモラ〜 |
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