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01.Turning 02.Swordfish 03.Luther's Lullaby 04.Blood and Jasmine 05.Window 06.Children's Dance 07.Waltz and March of Rhinoceri 08.Alpine Medley 09.Autumn Song 10.Turning Back Alex de Grassi; Guitars |
叙情的に流れる牧歌的なメロディ。アレックス・デ・グラッシのデビューアルバムは、従姉妹のアッカーマンが設立したウィンダム・ヒルにとっても、まだ通算4枚目(WH-1004)の作品で、長い歴史を誇るレーベルの中にあって初期の作品です。どんな優れた偉大なミュージシャンでも、デビューアルバムは制作されるもので、このアルバムがレコーディングされた当時、アレックスはまだカリフォルニア大学の4年生だったそうです。彼は1952年にお父さんの仕事の関係で横須賀で生まれ、2歳まで日本で過ごした(日本語はしゃべれず、記憶もほとんどないそう)という生い立ちを持っています。そういったことが、このアルバムに、さして影響を与えているというわけではありませんが、デビューアルバムを制作する以前に、日本を始めとする様々な土地で演奏活動を行っていたという事実は、このアルバムを制作するにあたり、アレックスには大きな糧になっていたに違いありません。 このスタジオレコーディングをして、いささかの緊張もなく(は無いでしょうけど)、窮屈な感じは微塵も感じられず、逆に余裕さえ感じられます。それは全曲が自作という自信もあるからかもしれません。曲から曲へ、その技巧も優しい雰囲気の中で耳にすると、それがどんなに難しいレベルであっても、そんなことさえ忘れさせてくれます。すでに独自のスタイルを確立しているアーティストの強みでしょうか。全曲がジャケットのように青空を駆け抜けるようなすんだ大気を思い起こさせます。曲のタイトルに“Autumn Song”などが並んでいるから、アレックスは秋の青空をイメージしているのかもしれません。アン・アッカーマンがコーディネートしたこのジャケットからは、そんな音と風景の想像をせずにはいられません。ウィルが語るように、アレックスのこのアルバムは、ウィンダム・ヒルというレーベルの方向性を示してくれた重要な作品です。 同じアコースティックギターを奏でていても、ウィリアム・アッカーマンとは異なるスタイル。レコード上での共演はありませんが、1985年の白樺湖畔で行われた演奏を耳にすると(アッカーマンの“Hawk Circle”)、2人のスタイルやタッチ、アーティスティックな違いが楽しむことができます。 |
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