ウィンダム・ヒルの掲示板

BY A WIRE / Jennifer DeFrayne -2014-

 

 

Produced by Fiona Joy and Will Ackerman.
Engineerd, Mixed & Mastered by Tom Eaton

Recorded at Imaginary Road Studio.

2014 LITTLE HARTLEY MUSIC

Jennifer DeFrayne

 

 

 

   


♪ ♪ ♪

01. Sunrise to Sunset
Jennifer DeFrayne ; Piano /
Jeff Oster : Flugelhorn / Tom Eaton: Bass, Percussion, Voice / Noah Wilding : Vocals

02. Calling Angels
Jennifer DeFrayne ; Piano
Jill Haley : English Horn / Eugene Friesen : Cello / Rebecca Daniel : Violin
Jeff Haynes : Percussion / Tony Levin : Bass

03. By a Wire
Jennifer DeFrayne ; Piano

04. Hope Floats
Jennifer DeFrayne ; Piano
Jill Haley : English Horn / Eugene Friesen : Cello / Tony Levin : Bass

05. Summer Reunion
Jennifer DeFrayne ; Piano
Jeff Oster : Flugelhorn / Charlie Bisharat : Violin / Jeff Haynes : Percussion
Tom Eaton : Guitars, Bass Noah Wilding : Vocals / Will Ackerman : Hopi Drum

06. Once in a Life
Jennifer DeFrayne ; Piano / Jeff Oster : Flugelhorn / Noah Wilding : Vocals

07. I’ll See You There
Jennifer DeFrayne : Piano / Eugene Friesen : Cello

08. Mexican Daydream
Jennifer DeFrayne : Piano / Fiona Joy : Piano
Charlie Bisharat : Violin / Eugene Friesen : Cello
Jeff Haynes : Percussion / Tom Eaton : Bass, Keyboards

09. Letting Go
Jennifer DeFrayne : Piano
Jill Haley : English Horn / Eugene Friesen : Cello / Rebecca Daniel : Violin

10. Clear Night
Jennifer DeFrayne ; Piano
Jeff Oster : Flugelhorn / Noah Wilding : Vocals

 

 しばらく自分の講座が近づくと、クラシック音楽ばかりを聴くようになります。それは天球の音楽を求めていた時の習慣になってしまっているようです。
 それも一息つけるような心の余裕ができると、こうしてまた、風景の音楽、音楽の風景に戻ってきます。今までの自分の中にあったいろいろな出来事やら体験やらを一旦リセットし、何も描いていないキャンバスを置いて、心で見ている風景の中に入って行った時の喜びは、単純なリフレッシュ以上の潤いをもたらせてくれます。

 そうした時に選ぶ音楽は、当然ウィンダム・ヒルであり、イマジナリー・ロードになるわけです。日が経つにつれ、彼らとの出会いの記憶も、だんだん遠のいていくわけですが、彼らの音楽を聴くたびに、(それが誰であれ)ついこの間の出来事であるかのように、その頃の記憶が鮮明に「見えてくる」のです。この音楽が、本当に好きなんだなぁ、という自分が再発見できる瞬間です(聴くたびに思っているので瞬間も何も、絶えずといったほうがいいのかも)。
 彼らの奏でる音楽は、癒し以上の、心と体への影響力が非常に大きいのです。 …てなことに気づく自分自身へのご褒美として、来る日も来る日もウェブ上に目を光らせ、彼らの新作を心待ちにしているわけです。
 今回のアルバムは、これがデビューアルバムとなるJennifer DeFrayne(ジェニファー・デフレインと発音するのでしょうか)。当然、日本には初登場となるアーティストですが、ZMRミュージックアウォード2014では新人賞を受賞した期待のアーティストです。彼女のバイオグラフィを読むと難病と闘ったことがつづられていますが、それにもかかわらず、ピアノを弾くことによって回復したのだそうです。

 プロデューサーにFiona Joy(フィオナ・ジョイ・ホーキンス)とウィルの二人が当たっていますが、アルバムもフィオナのレーベルLITTLE HARTLEY MUSICからリリースされています。ウィルのギターは含まれていませんが(パーカッションで参加)、フィオナはトラック8の♪Mexican Daydreamで、ベース部を弾いています(ジェニファーはメロディライン)。つまりピアノデュオ。ここにCharlie BisharatのViolinと、Eugene FriesenのCelloが加わり和気あいあいとしたサウンドが展開します。
 ウィンダム・ヒルの初期は、風景写真が白い枠の中に納めていたアルバム・ジャケットをリリースしていましたが、特にこの曲を聴くと、白地のジャケットが思い浮かんできます(あのシリーズは想像力を育んでくれたなぁ)。

 オープニングとエンディングは、先日facebook上に投稿した木星と金星の接近の写真を見て、わざわざカリフォルニアから見た写真を送ってくれたJeff Oster、そして私のお気に入りNoah Wildinが決めてくれます。フリューゲルホルンが雄大な旋律を奏でて幕を明け、そしてNoahの美しいヴォカリーズ。彼女の声は本当に美しい。そしてラストもこの二人によって人間の耳には聞こえない夜の静寂となって澄んだ空気を届け幕を閉じます。他にもJill HalleyのEnglish Hornなどのリード楽器との絡みが心地良く鳴り響きます。

 

Photo by Toshiharu Minagawa.