星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 英国のキングス・シンガーズ出身のナイジェル・ショートが2001年に創設した「世界最高峰のヴォーカル・アンサンブル」といわれているアカペラ・アルバム。タイトルは『MUSIC OF THE SPHERE(天球の音楽)』。すでにこのタイトルでのアルバムは、様々なアーティストが取り上げていますが、さすがにインスピレーションの源泉なんでしょう。2017年のグラミーにノミネートされました。

  計9名の作曲家の作品を取り上げていますが、私が知っているのはV.ウィリアムズとエルガーのみ。こうしたコンピもので初めて聴く作曲家などに巡り会うことができますが、これもこうした一枚です。オープニングを飾るHerbert Murrillの2曲は、シェークスピアの『十二夜』からの作詞。 ウィリアムズもマリル同様シェイクスウピへの作曲ですが、それ以外の作曲家はシェイクスピアとは関係ありません。

 それぞれの曲を調べてみると、アルバムタイトルになっている『天球の音楽』との関連性はありませんが、無理矢理こじつけるなら、シェイクスピアが天文ファンだったということぐらいでしょうか?伴奏なしのアカペラは、それだけで何となく第7天の外側に存在していると考えられている天使たちの歌声を連想しがち(良い例がディズニー・シーのフォートレス・エクスプローションにある「チェインバー・オブ・プラネット」というアトラクション)ですが、 教会音楽的な響きを残しつつ、どちらかと言えば、少し俗世間的な感じの曲が多く収録されているように思います。ジャケットが星空(りゅうこつ座のηカリーナあたりかなー)となんだか樹木のコラージュで期待大でしたが…

なおエルガーの作品番号がクレジットではOp.54になっていますが、これは53の間違い。

 

 
 


Herbert Murrill(1909-1952)
  O Mistress Mine(おい、俺の彼女)
  Come Away, Death(来たれ、死よ)
Frank Bridge(1879-1941)
  Autumn(秋)
  Music, When Soft Voices Die(音楽はやさしい声が消えた後も)
  The Bee(蜂)
Ralph Vaughan Williams(1875-1958)
  Full Fathom Five(「3つのシェイクスピアの歌」五尋の深み)
  The Cloud-Capp'd Towers(「3つのシェイクスピアの歌」雲を頂く塔たち)
  Over Hill, Over Dale(「3つのシェイクスピアの歌」丘を越え、谷を越えて)
Edward Elgar(1857-1934)
  There Is Sweet Music(「4つのパート・ソング」甘き調べあり)
  Deep In My Soul(「4つのパート・ソング」我が心の奥底)
  O Wild West Wind(「4つのパート・ソング」おお、激しき西からの風!)
  Owls(An Epitaph)(「4つのパート・ソング」梟 - 碑)
Ernest Walker(1870-1949)
  Soft Music(優しい音楽)
Judith Bingham(b.1952)
  The Drowned Lovers(溺れた恋人たち)
Charles Villiers Stanford(1852-1924)
  The Blue Bird, Op.119(「8つのパートソング」青い鳥)
  On Time, Op.142(定刻)
Jonathan Harvey(1934-2012)
  Song of June(6月の歌)
Bob Chilcott(1857-1934)
  The Runner(「自分自身を私は歌う」走者)
  The Last Invocation(「自分自身を私は歌う」最後の呼び出し)
  One's-Self I Sing(「自分自身を私は歌う」自分自身を私は歌う)


テネブレ
ナイジェル・ショート:指揮



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