グスタフ・マーラー(1860-1911)

 マーラーが20歳のころから9年近くの歳月を掛けて書き上げた初期の歌曲集です。日本では『若き日の歌』というタイトルを付けていますが、どうやら欧米では『歌曲集』とだけの表記のようです。ベートーヴェンの交響曲第5番を、そのままで呼ぶか「運命」と呼ぶかに似た感じでしょうか? 3巻に分けて出版されました。そのうち第2集と第3集は『子供の不思議な角笛』のテキストを使っています。のちのち、独立した歌曲集と光曲への転用などが行なわれ、マーラーの作品の骨格をなすようになります。

 私が愛聴しているのは、いずれもディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがピアノ伴奏でレコーディングしたレコードです。


Daniel Barenboim; Pf
リュッケルトの詩による歌曲集より(4曲)
若き日の歌より(11曲)
さすらう若人の歌(全曲)
若き日の歌(全曲)
さすらう若人の歌(全曲)
子供の不思議な角笛より(12曲)
リュッケルトの詩による歌曲集(全曲)


 バーンスタインとの共演盤は1968年の録音。バレンボイムとは10年後の1978年です。似たようなジャケットですが、コロンビア盤は大スターがでーんと正面を見据えているので、バーンスタインが主役のよう。変わってEMI盤はディースカウの貫禄勝ち(笑)でしょうか? 立ち位置とか… まんま以前のジャケットを引き継いでいるかのよう。まさかとは思いますが、バーンスタインが来ていたハイネックのシャツをバレンボイム盤で着ていると言うわけではないでしょうが(笑)

  最初に聴いたのはバレンボイムとのレコードで、ちょうど世間でもマーラーブームに火がついた頃に出版された『レコード芸術』の特選盤かなにかで紹介されましたが、その当時は輸入盤の紹介だったと思います。そこには全集としなかった理由として「亡き子をしのぶ歌」が女声で歌われるため、レコーディングしなかったとか。というのが表向きの理由らしいのですが、実際はレコードが3枚半になるのを避けたから、などと説明していました。こうした大物同士の共演盤はジャケットも楽しみの一つになります。

 タワレコのヴィンテージ・シリーズとかエソテリックでSACD化してくれないでしょうか〜

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