01.Land Of The Morning Calm
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
Mino Cinelu ; Percussion / Don Alice ; Percussion, Conga
02.Valerian
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
Mark Eagan ; Fretless Bass
03.Chihuahua Pearl
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
04.God Son Paris
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
05.Ma Muse
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
06.Rameau's Nephew
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
07.Glamorous Glennis
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
Mark Eagan ; Fretless Bass
08.In Memoriam Faure
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
09.Aztec Ace
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
Mark Eagan ; Fretless Bass
10.Tiahuanaco
Phillippe Saisse ; Piano, Drums, Synthesizer Programming
Mark Eagan ; Fretless Bass
ウィンダム・ヒルからは唯一のアルバムとなるフィリップ・セスのアルバム。リリースに合わせて日本では味の素がスポンサーとなっている「ちゃんとちゃんと」シリーズで、箱根彫刻の森美術館の野外ライヴで、ベーシストのマーク・イーガンと共に来日公演が行われました。
それまでのレーベルサウンドとは異なり、エレクトロニクスサウンド。とはいえ、この頃、すでにレーベルもエレクトロニクスサウンドにも力を注いでいたので、レーベルとしてはかなり大プッシュの存在だったはずです。というのも、ウィンダム・ヒルからの処女作でしたが、すでにフィリップの音楽キャリアは、様々なミュージシャンとのセッションをこなしていたからです(同くフィリップ・アーバーグも同じようにウィンダム・ヒルからデビューした頃は、多くのミュージシャンのサポートでキャリアを磨いていました)。アル・ジャロウ、デビッド・ボウイ、ローリング・ストーンズ etc.
アルバムオープニングの明るいサウンドを聴くと、やはり美術館で体験した時の情景が目に浮かんできます。「ちゃんとちゃんとの味の素」が毎年夏に箱根彫刻の森美術館で開催していた『Ajinomoto Music Meets Art』の第7回目がフィリップ・セスだったのです。 明るいピアノのフレーズに「これから何かが始まる」予感を思わせ、エレクトロニクスサウンドが膨らみます。フレットレスベースに、箱根でも共演したマーク・イーガンをフューチャーし、そのほとんどの楽器(ドラムスまで)を自らがクリエイトしたサウンドは、なんだか疲れ切った体を解きほぐしてくれるかのようです。やはり箱根でのコンサートが大きく左右しています。その時のオープニングが、このアルバムのファーストトラックでした。(他、覚えておらず・・・)
夏の猛暑を避けるようにして上ってきた箱根山。下界の暑さがまるでウソのように空気が軽やかでさわやかな風が高い空からそよいで来ます。周囲が山々に囲まれているだけあって、夏とはいえ日が暮れかかる体感も下界よりずっと早く感じられました。そしてバリライトが点り、フィリップ・セス・バンドが登場。空と山と、夕暮れと風と溶け合うように「Land Of The Morning Calm」が始まりました。この曲は、このアルバムがリリースされる前にコンピレーションとしてリリースされたサンプラー『SOUL OF MACHINE』の中でもピックアップされている曲です。
ウィンダム・ヒルのアーティストのコンサートで、バンドという形で演奏を聴くのは今回が初めてでした。ましてやフィリップ・セスも初めてでした。アコースティック中心に聴いてきた私には、多少の不安がありましたが、こうした環境の中での初体験には心も体もリラックスモードで、そんな心配は無用でした。
このアルバムではフレットレス・ベースのマイク・イーガンが数曲でフューチャーされていますが、ライヴでは全曲でサポート(私としてはセスのソロピアノが聴きたかった、と思っていた遠いむかし…)して、息のあったインタープレイを繰り広げてくれました。