Photo by Toshiharu Minagawa.
WH-1005
VISIONS OF THE COUNTRY / Robbie Basho
Produced by William Ackerman

Side A ;
1. Green River Suite
2. Rodeo
3. Rocky Mountain Raga

4. Variations on Easter
5. Blue Crystal Fire

Side B ;
1. Orphan's Lament

2. Leaf in the Wind
3. Night Way
4. Elk Dreamer's Lament
5. Call on the Wind

Windham Hill Records, 1978



 2007年6月の「今月の一枚」で紹介したRobbie Bashoが、ウィンダム・ヒルで最初にレコーディングした一枚であり、ウィリアム・アッカーマンが初めてプロデュースを行った最初の一枚です。しかも憧れだったアーティストを自身のレーベルから紹介するという、夢のようなコラボレーションだったのではないでしょうか。アルバムクレジットには、「米国と、その他の喜びをシンプルなフォーク・バラッドのスタイルで描き歌っている。米国に広がる大自然をヒンズー音楽のラガスタイルで表現した」と書かれていますが、ギター、弾き語り、ヴァイオリン、そしてピアノ。スタイルはバラエティーに富んでいますが、その内容はアルバムジャケットのポートレイトを聞かされているかのようです。この体験が、のちのウィンダム・ヒルの方向性を決定づけたのではないでしょうか?

 1曲目はロビーのヴォーカルが澄みわたる青空を思わせるギターに乗って、故郷であるワイオミングの自然を歌い上げています。A-2、4、B-2、A1stアルバムで弾いているようなタッチの小ギターピース。これらに耳を傾けているだけで、ウィルがどれだけロビーから影響を受けているかが伺えます。
 3曲目はAntoinette Marcusのヴァイオリンをフューチャーした大らかな曲で、カントリーにもフォークにも属さないユニークな曲、これぞウィンダム・ヒル。ロビーのヴォーカルとヴァイオリンが絡み、ロッキー山脈と語り合っています。ロッキー山脈は多くのミュージシャンの題材になっていて、やはりカントリーのジョン・デンバーや、のちにイーグルスに加入したジョー・ウォルシュなどが曲を書いています。一度、目の前で見てみたい風景です。A面のラストはメランコリックな曲調で、様々な自然現象(日没や月の光、森、滝、鹿etc.)の中に身を置く男の叙事詩。B面の1曲目は、自分自身を慰める歌。そして(レコーディングスタジオの)ガラスの向こうにいるウィルも同じ気持ちで聴いていたかもしれない哀歌。2曲目は同じくピアノと口笛。タイトルは「風の中の葉」。北風かロッキー颪(おろし)か。寒々とした冬を思わせます。3曲目はナバホ族の歌からインスパイアされた曲で、歌詞のない歌。アルバムのラストは大自然からの語りかけで終わります。

 本名はダニエル・ロビンソン・ジュニア。(ウィルと同じように)孤児だった彼は、ダニエル・ロビンソンに引き取られ、ジュニアと名づけられました。あるとき、山でトランス状態に陥り、自分が松尾芭蕉である(いわゆる生まれ変わり?)と理解し、以後Bashoと名乗るようになりました。読み方によっては「ベイショ」とも「バショウ」とも読めますが、ベイショと呼ばれることに対して、かなり不満だったという逸話が残されています。

〜Discography〜
Windham Hill;
WH-1005 VISIONS OF THE COUNTRY(1979)
WH-1010 ART OF THE ACOUSTIC STTEL STRING GUITAR 6 &12(1979)