ジャズ・ピアニスト、ヴィンス・ガラルディ(1928-1976)と、チャールズ・モンロー・シュルツ(1922-2000)の描いたコミックで大人気だったピーナッツギャング(日本では「スヌーピーとチャーリー・ブラウン」)が初顔合わせ、そして、新聞の片隅で動き回るスヌーピーをはじめとするピーナッツギャングたちが、アニメーションとなって、お茶の間に登場した初作品のサウンドトラックです(1965)。



 いよいよ究極のフォーマットとされるSACDの、日本独自の企画として開発されたSHM-SACD盤『A BOY NAMED CHARLIE BROWN』が2012年5月にリリースされます。2004年には通常のSACDがリリースされ、それまでのリマスター盤を上回る音質で、まるで目の前で演奏されているかのような臨場感を味わうことが出来ましたが、今度はハイブリットではなく、シングルレイヤーによるリリースなので、SACD専用機でないと再生することが出来ません。注意が必要です。

 しかし、この音源に目をつけてくれた関係者には感謝したいと思います。あとはもう一枚『A CHARLIE BROWN CHRISTMAS』を望みたいところです(時間の問題か?)。

 SACDの音を体験してしまうと、どんなに高音質にリマスターされた音源ですら色褪せてしまうほど。特にアナログ録音をDSDに変換した音源ほど恩恵を受けているようです。そうなってくると初期のウィンダム・ヒルなんてやって欲しいですねー

A CHARLIE BROWN CHRISTMAS
/ Vince Guaraldi

01. O Tannenbaum
02. What Child Is This
03. My Little Drum
04. Linus and Lucy
05. Christmas Time Is Here
06. Christmas Time Is Here
07. Skating
08. Hark, The Herald Angels Sing
09. Christmas Is Coming
10. Fur Elise
11. Christmas Song
12. Greensleeves

13. Christmas Is Coming [Alternate Take 1]
14. Christmas Song [Alternate Take 3]
15. Greensleeves [Alternate Take 6]
16. Christmas Time Is Here [Alternate Vocal Take 5]

Vince Guaraldi ; Piano
Monty Budwig ; Bass
Colin Bailey ; Drums

3、4、5、6、7、9がヴィンスのオリジナル、他はなじみのあるクリスマスキャロル。この季節には描かせないアルバムです。




 このアニメは後に米国テレビ芸術科学アカデミーが主催するエミー賞と、ジョージア大学のジャーナリズム・マスコミュニケーション専攻科によって選出され、卓越した「報道番組」に送られる賞として有名なピーボディー賞を受賞しています(カール・セーガンの『コスモス』も授賞している)。もう40年も前の作品なので、見た方は少数かもしれませんが、DVDやNHKで放送する機会が多いので、意外と多くの方に親しまれているのかもしれません。
 アニメだからといって敬遠する人がいたら「不幸」かも。これほどシンプルにクリスマスについての疑問を投げかけ、それに答えてくれる番組があるでしょうか。まぁ、日本人はお祭りバカだから、クリスマスの意味を特に考えもしないかもしれません。

 話の中でチャーリーが「クリスマスってなんだろう?」という疑問に答えられる人はいないかもしれません。チャーリー・ブラウンが舞台監督に抜擢され、何をやってもうまくいかないとき、それに答えてライナスが聖書の一節を語ります。静かに流れるヴィンスの演奏。子供向けと勘違いをしている人が多いのは仕方ないことなのかもしれませんが、コミックもアニメも、大人が見ても難しいことがあります。まして日本人がクリスマスの本質などわかるわけがありません。そんなストーリーを、そっと支えているヴィンスのクリスマスキャロル。
 チャーリーが夜道で見上げた星の瞬きと、町を彩るクリスマスツリーのイルミネーションが、呼応して瞬くき、ちょっとだけ、その意味がわかるような気になります。そんな優しい気持ちにさせてくれる名作アニメであり、サントラなのです。何度見ても、涙が出るぐらいに優しい気持ちになります。



 このサントラは何度かジャケットを替え、リマスターが施されて再販されていますが、2006年10月のリマスター盤はボーナストラックが4曲も追加され、オリジナルジャケットで復刻されました。ジャケットも凝っていて、扉がセル画になっています。
 名盤ゆえにさまざまなリリースのされ方をしていますが、今回のオリジナルジャケットの復刻盤を始め、1997年のスターバックス盤、1995年のUS盤、その1994年に日本でも生誕40周年に合わせ、テレビ放送25周年記念として始めてこの音源が日本でもリリースされています。その時は、ケースに入れられ、ピンナップポスター付きで発売されました。確か当時出版されていたFMfanの表紙にもなっていましたね。ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ここで紹介したのは、私自身が所有しているCDですが、これ以外にもアナログ盤やサラウンド盤などもリリースされていて、その都度ジャケットも変わり、コレクター泣かせです。

スターバックス盤(1997)
 ウィンダム・ヒルでは、ジョージ・ウィンストンが大のピーナッツファンで、ヴィンスの作品集【LINUS & LUCY】を制作しているのはご存じのことでしょう。ジョージは現在、第2弾を制s作中のことです。また【DIAMOND CUT】というアルバムでは、野球を通じての音楽集で、ジョージはヴィンスの楽曲をコツコツと録り溜めているようです。
 また、ピーナッツ・シリーズのアニメ『THIS IS AMERICA』では念願のサントラを担当し、ピアノではなくハープシコードを弾いています(未音源、ビデオ日本未発売はちょっと寂しいですね)。

♪  ♪ ♪  

この日本盤はケースに収められ(右のジャケット)、通常のジャケットは左。

日本盤(1994)



A BOY NAMED CHARLIE BROWN
/ Vince Guaraldi Trio

01. Oh, Good Grief !
02. Pebble Beach
03. Happiness Is
04. Schroeder
05. Charlie Brown Theme
06. Linus and Lucy
07. Blue Charlie Brown
08. Baseball Theme
09. Freda (With the Naturally Curly Hair)
10. Fly Me to the Moon [*]

Vince Guaraldi ; Piano
Monty Budwig ; Bass
Colin Bailey ; Drums

20bit K2に施されたパッケージ(SACD盤もあり)

 スヌーピーファンの私にとって嬉しいのは、番組でなじみのある曲が一枚のサントラとして聴けること、そして今でもジョージ・ウィンストンが取り上げてくれることです。

 もう一枚紹介するコチラのアルバムも、先のサントラ同様ガラルディのピアノトリオです。これも度重なる再販を重ねる名盤ですが、ビミョ〜にジャケットも変更してきます(笑)。ジャズもいいなぁと、私に開眼させてくれた一枚でもあります。ジョージのピアノソロもいいのですが、やっぱりオリジナルにはかないません。どの曲を聴いてもピーナッツギャングの姿が浮かんでは目前に現れるようです。

 ピッチャーズマウンドに1人孤独に立ちつくすチャーリー、他の選手たちの行動に辟易して一言、

「ヤレヤレ!(Oh, Good Grief !)」



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