お星さまをポケットに入れて帰った夜

人知れずハーモニカの練習をしていると
大きな袋を肩に掛けた人影が近づいてきた
そいつは「ごくろうさん」と言って
木の滑り台をコロコロと滑り落ちてくるお星さまを
袋にせっせと詰めていた
殺風景な部屋の飾りにちょうどいいやと思い
僕もひとつ頂いてやろうと
辺りにたれもいないことを確認してから
何気なく木の下に行ってポケットの口を開いた
コロコロ ストン
ハーモニカは手に持って帰ることにした。