夕星のうた

夜の帳が降りて
星がひとつふたつ輝き出す前に気高い宵の明星が現れた
「ちょっと遅れたかしら?」
それが合図のように黒いシルエットにすぎなかった家々の窓辺に
ひとつふたつと灯りがともる
「とーふぅー」と トー府屋のラッパが静寂をうち破って響きわたった
黄色に点った窓辺からはとたんにせわしい音が湧き起こった
トントコトコトコ トントントーン
なんだかトーフのみそ汁が飲みたくなった
それにさむいし
じゃ これにて