星空の落とし物
ポロン 星つぶが尾を引いて流れていった ポチャン それが僕の飲みかけのグラスの中に落っこちて 炭酸ソーダの泡のようにシュワシュワさせて旨そうになった 「またやった」 シルクハットをかむった男が僕の家の前を行ったり来たりしている 「確かこの辺なんだが」 僕はそいつに気づかれないようにグイとグラスをからにした げっぷをこらえるのに必死になっていると 男の姿はなく いつの間にか請求書がテーブルの上でヒラヒラしていた。
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