マグリットの夜
夜の帳が降りたので 足早に地平線へ入って休もうとした三日月と宵の明星が木の枝にひっかかってしまった どこからともなく「ホウ」という声がして シルクハットをかむった紳士が僕の方へペコリとお辞儀をしたかと思うと 慌てるようにして西の方へと歩いていった 木の枝がガサガサと揺れたかと思うと 月と明星はするすると地平線へと姿を隠した。
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