牧神の午後への前奏曲

シルクハットをかむった帽子売りが来て
「ここは殺風景ですからこんな窓はいかがでしょう」と言う
冗談半分で買い求め
翌朝目が覚めて驚いた
風景の中に昨日の男が立っていて
ペコリとおじぎをしたかと思うと
音もなく去っていった
窓ガラスにメモが張り付いていた
“来週になれば景色が変わります”