THE UNFORGETTABLE FIRE(1984)

 U2を聴き始めたのは『WAR』からで、1983年ごろ。彼らは玄人受けするバンドではありポップとは無縁な存在。それもそのはず、歌の内容が政治色の強い歌を前面に掲げるバンドでした。
 当時はバンドエイドやアパルトヘイトなど、「音楽で世界を救う」といった風潮が高く、ヒットチャートでもピーター・ガブリエルの“Biko”などに代表される黒人指導者を称えた歌を歌っていました(U2の場合は『THE UNFOGETTABLE FIRE』の“MLK”)。特に『WAR』では、自国アイルランドの紛争をテーマにした内容で、そのサウンド(プロデューサーのスティーブ・リリーホワイトとの相性が良かった)でも私は魅了されました。

 そんな彼らの1984年にリリースした『THE UNFORGETTABLE FIRE』は、邦題に『焔』と名付けられましたが、これは1945年に相次いで広島、長崎に投下された原子爆弾を指しています。つまり「忘れてはならない火」なのです。

 2009年はリリース25周年に当たり、ギターのエッジがマスターテープからリマスターを施し、シングルのB面やリミックスヴァージョン、同じ時期にレコーディングされながら収録されなかった音源などをパッケージ化してスペシャルエディションがリリースされました。リマスター盤としては、『THE JOSHUA TREE』同様、MFSLからもアナログとCDがリリースされています。

 ラストに収録された「MLK」は、そのまま次作『THE JOSHUA TREE』へとサウンドが引き継がれ、それを聴いたときは、正直、身震いがしたものです。

01.A Sort of Homecoming
02.Pride(In The Name Of Love)
03.Wire
04.The Unforgettable Fire
05.Promenade
06.4th Of July
07.Bad
08.Indian Summer Sky
09.Elvis Presley And America
10.MLK

PRODUCED BY DANIEL LANOIS & BRIAN ENO.
Mixed* by Steve Lillywhite.
All songs written by U2.

Release Date ; Oct,1,1984

<Billboard Chart Date>
♪TOP 100 : NO.12
♪TOP ALBUMS : NO.19 at 1985
♪TOP 40 SINGLES : Pride (No.33)
 当時はまだアナログ盤も健在で、私はまずアナログ盤を手にしました。見開きのジャケットのメンバー写真がイカシテます。フォトグラファーは、デビューからとり続けているアントン・コービン。やはり、これぐらいの大きさだと飾っておけるし、好きなアルバムがジャケットも良いと、部屋のインテリアにもなるという、いい時代でした。のちにこのアルバムのレコーディング秘話を伝えるビデオが発売され、サウンド・プロダクションを興味深く見ることができます。裏方が好きな人は過去の名盤もシリーズ化されているので必見です。


THE UNFORGETTABLE FIRE 25thAniversary Edition 

Disk 1の曲目は上記を参照。

Disk 2
01. Disappearing Act
02. A Sort of Homecoming (live)
03. Bad (live)
04. Love Comes Tumbling
05. The Three Sunrises
06. Yoshino Blossom
07. Wire (Kervorkian Remix)
08. Boomerang I
09. Pride (In the Name of Love) -Single version-
10. A Sort of Homecoming (Daniel Lanois Remix)
11. 11 O'Clock Tick Tock -Long version-
12. Wire (Celtic Dub Mix)
13. Bass Trap
14. Boomerang II
15. 4th Of July -Long version-
16. Sixty Seconds in Kingdom Come


 アルバムリリース25周年を記念して、アルバムにリマスターが施され、シングルのみでしか聴くことができなかった音源や、未発表曲が収録されたデラックスエディションがリリースされました。2007年にリリース20周年記念でリリースされた『THE JOSHUA TREE』と同じ体裁だったので、思わず購入してしまいました。まぁ、U2ファンなら持っていて損はないでしょう。

Album
Bonus Disk
DVD


U2といったらモノクロ、モノクロといったらU2と言えるほど、彼らはモノクロのポートレイトが代名詞となっていますが、デビュー以来アントン・コービンというカメラマンが彼らを追い続けています。『THE JOSHUA TREE』に始まったわけではなく、このアルバムで開花したと言えるかもしれません。それを裏付けるかのように、U2以外のアーティストのポートレイトが、このあと増えました。どれもこれも「カッコイイ」と思えるものばかりで、『』といったスターばかりを集めたアナログジャケットサイズの写真集も出版されています。ここではU2のみを集めた写真集を紹介します。じつは、この写真集に収められていないテイクが、シングル盤に使われていて、音源に、写真にと探し回りました。
U2 & I: The Photographs 1982-2004

 U2の『THE JOSHUA TREE』のアートに惹かれた方は、ぜひ、このアントン・コービンとU2のコラボレート写真集を手にとって下さい。彼らはデビュー当時からのつき合いで、ほぼ、U2の専属フォトグラファーと言うことになるのではないでしょうか。この写真集は、そんな彼を追い求めた集大成と言えるもので、デビューから2004年までの軌跡を辿ることができます。ともかく、カッコイイです。