2008年はかなりの大物が久々にアルバムを出した年となりました。特にハードロック関係は「超」がつくほどの大物のリリースラッシュです。私にとってはカントリーだろうがロックだろうがポップスだろうが、好みに合う音楽であれば傍らに流して時を過ごす聴き方をしているので、つねに誰かしらのニューアルバムのニュースが飛び込んできてお財布の紐が緩みっぱなし。う〜ん、もっと引き締めないといけないのになかなかできず。アマゾンのポイントでもらったり、いろいろ工夫は凝らしているのですが。ここでは2008年に購入したお気に入りのアルバムのレビューを紹介します。
 待ちに待った(何たって1987年の武道館公演以来!)ZZ Topの公式ライヴビデオです。CDには何種類かの(それでも単曲で)ライヴを体験することはできますが、まるまる彼らのライブとなると、長い彼らの歴史、始まって以来の出来事です。
 1987年の武道館公演は『ELIMINATOR』『AFTERBURNER』の大ヒット後の初来日で、今の日本では考えられないほどの人気ぶりでした。しかしわずか1時間30分という短さに(悪い意味で)度肝を抜かされましたが、このDVDは2時間に及んでいます。昔はバッファローなんかをステージに登場させたこともあったり、彼らのオープニングアクトを務めたバンドは、ほぼビッグネームに成長(KISS、Van Halen、ack Crowes etc.、ZZ Topです。

 なお、このDVDは日本盤も発売されていますが、リージョンフリーの、コチラの輸入をお薦めします。日本盤の原盤がこの輸入を使っているので、対訳となる日本語字幕が付いていません。パッケージが日本語になっているだけの代物です。

 2009年は、いよいよニューアルバム制作のためにスタジオ入り。しかもリック・ルービンがプロデュースを担当するという話題は、ルービン・ファンである私は今から楽しみでなりません。右に紹介しているアルバムは、それまでの古くさいブギにシンセサイザーサウンドを大胆に導入することによって、テキサスのZZから世界の(笑)ZZへと飛躍するきっかけとなったアルバムです。
 いわゆるテクノ三部作は、このあと映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』の挿入曲が収録されている『RECYCLER』まで続きますが、それ以降は再び泥臭いブギに戻り、しかも不動のメンバーで転がり続けています。


 一度は解散(休止)宣言をしたカラスたちの公式ライヴビデオです。2ndからメンバーになったマーク・フォードが復帰(再び脱退)した直後のライヴなので、私の好きなマークの雄姿が見られるということでも非常にうれしいDVD(本国に遅れることようやくリリース)。
 2005年は、彼らがデビューして15周年目に当たる年であり、数々の名演を生んだフィルモアとくれば、そのステージがいかに熱く盛り上がったかわかろうというもの。19曲150分というヴォリュームに満足したところで、特典映像として(サイケデリックな雰囲気の)バックステージとリハーサルの模様を覗くことができます。ちらりとクリスの奥様も拝見(すでに離婚)
 映像はクリスとリッチの兄弟を中心に回っているため、なかなかマークの姿を拝めませんが、リッチが気を遣っている様子がわかります。ギターソロの率もほぼ互角なのはリッチの計らいか?(笑) 右がリッチ・ロビンソン、左がマーク・フォードのギターなので、そのサウンドの違いを楽しめます。マークはGuns'N'Rosesからイジー・ストラドリンが抜けた際オファーを公式に受けたギタリストのひとりでしたが、「名声」か「自由」を理由に「自由」を選択肢ブラック・クロウズに加入した元バーニング・トゥリーの中心人物です。歌えます(笑)

 あとはジミー・ペイジとのツアー(結局日本公演は実現せず)がDVD化してくれれば文句なしといったところでしょう。

 そして7年ぶりにリリースされた『WARPAINT』は、セカンドギタリストが二転三転してライヴで復帰したマークが再び脱退、Luther Dickinsonという新たなギタリストがリッチのサポートをしています。スライドギターを得意としていて、ますます泥臭く南部っぽい音を追求するカラスたちです。

 ここで紹介している2ndアルバムは、オールマン・ブラザース・バンドやレイナード・スキナードを彷彿させる音楽を作りだしています。1stアルバムに特別参加しているオールマンのチャック・リーヴェルから「君らがこの音楽をやるのは早すぎる」とまで(最大級のお褒めのお言葉)称されたカラスたちです。リマスター盤ではすべての音の抜けが良くなり、コーラスやヴォーカルが中心に、左右に分かれたクリアーなギターサウンドに豹変して驚かされました。確かに20代の若者がやる音楽じゃーないです。さすがに土壌が違うなぁ、と思い知らされたアルバムです。



John Wetton ; Vocals, Bass
Steve Howe ; Guitars
Geoff Downes ; Keyboards
Carl Palmer ; Drums
 1982年に衝撃のスーパーバンドとしてデビューしたプログレ界の重鎮たちが、25年の確執を封印して再結成し、ファン待望のスタジオレコーディング(すべて新曲)を発表してくれました。これはファンにとっては、内容がどうであれ手放しで歓迎すべき出来事でした。私も、その前年にジャパンツアー(新宿厚生年金会館)を観に行ってきましたが、最初に彼らがステージに登場したときの歓迎ぶりは、これ以上にないぐらいで、アーティストとファンのテンションの上昇ぶりは異常なほどでした。そして、その時にジョンからマイクがあった「ニューアルバムをレコーディング中」というコメント通り、彼らはこうしてニューアルバムを届けてくれたのです。

 バンドを立ち上げたときの意気込み通り、今回も3分間に凝縮した壮大なロックが繰り広げられています。キャッチー名曲はほとんどなく、『フェニックス』と言ったらこの1曲、というのが無いのが寂しいところですが、このアルバムはそういった見方は無用の産物と言えます。どの曲も、初めて聴いた気がしない。そういうことです。



 今年度(2008)の最大の話題といえば、このバンドのニューアルバムということになるのでしょうか。確かに彼らの名義での「新曲」スタジオアルバムといえば1991年の『USE YOUR ILLUSION』なので、この間には様々な人間ドラマ(笑)がありました。この間、何度も浮かんでは消えるニューアルバムのうわさ話。ここに来てようやくリリースされることになり、全米では国民全員にドクターペッパーが配られる(配給元では無料チケットを配布するとか)というニュースも話題になりました。
 彼らのコンサートは二度、(イジー脱退後)ドームで見ることができました。あちこちのレビューでは「これはガンズではない」とかいろいろ叩かれていますが、純粋に、彼ら名義のアルバムがリリースされたことを、昔からのファンは純粋に喜んでいます。メンバーがコメントしていますが、「大好きになるか大嫌いになるか、どっちかだろうな」という言葉が印象的。コレといったパンチの効いた曲がないのは、かつてのメンバーのフォローがなかったからだろうか、などと現メンバーを嘆いてみたり。ファンは好き勝手なことを言ってしまいます。チャートもそれほどふるわず、ビルボードでは初登場3位でしたが、2週目にしてTop10圏外に落ちてしまいました。これはツアーして挽回するしかないでしょう。


 1993年にジョニー・キャッシュとコラボが始まってから、ずっと追い続けてきたプロデューサーリック・ルービン。その彼がボブ・ディランの息子ヤコブ・ディランに手を出した(笑)。どちらがコンタクトを打ってきたのかは知る由もないけど、つねづねボブ・ディランをプロデュースして欲しいと思っていただけに、なんの前触れもなく訪れたヤコブのニューアルバムには、正直驚かされました。そしてその音作りは一貫して生々しくソリッドな雰囲気はここでも健在です。数曲でDavid Ferguson、Jason Boesel、 Z Bergらが控えめにそっとバックを務める曲があるぐらいで、ヤコブの弾き語りがメインです。この歳でこんなに渋いアルバムを作ってしまって良いのだろうか?などと心配してしまうほどの(日本じゃまず受けない)内容です。ますます親父(ボブ)に声が似てきましたが、ずっとJakobの方が低音で渋いです。

2008年度第51回グラミー賞
♪Producer Of The Year, Non-Classical -Rick Rubin-



 1993年にジョニー・キャッシュとコラボが始まってから、ずっと追い続けてきたプロデューサーリック・ルービン。その彼ミスター・エンターテイナー的なニール・ダイヤモンドとは衝撃的な驚きでした(笑)。しかもこれがいい。すでにこのアルバムで二作目の共演ということになるのですが、前作『12 SONGS』と同じテンションで生々しいアコースティックサウンドを維持しています。ニールの声もこんなに渋かったのかと改めて思いました。
 私の中ではかなりニールのイメージが変わったコラボレーションで、ジョニーの時と同じように、このまま三作、四作と増やしていって欲しいシリーズです。

2008年度第51回グラミー賞
♪Producer Of The Year, Non-Classical -Rick Rubin-



 永遠のマンネリズムでもなんでもいい。彼らの音楽はただひたすら前に進んでさえくれれば。そんな純粋なロケンローを体現させてくれるバンドに、新譜なんていらない(とまでは言いませんが)。メディアは大げさに「21世紀初のアルバム」とかき立て、前作は「20世紀最後のアルバム」と叫んでいました。私はブルース・フェアバーンがプロデュースした『THE RAZER EDGE』(1991)から聴き始めた新参者ですが、考えてみれば彼らは大物プロデューサーを多用しています。1980年代初頭の名作『BACK IN BLACK』『FOR THOSE ABOUT TO ROCK』にはロバート・ジョン・マット・ランジ、先のブルース・フェアバーン、サントラ『ラスト・アクション・ヒーロー』の挿入歌でのリック・ルービンが、そのまま『BALLBREAKER』、そして今回のブレンダン・オブライエン。そんな中、今回の音がもっともソリッドじゃないかなと思います。

そうそう、WWEのPPVの公式テーマ曲に選ばれています。

2009年度第52回グラミー賞
♪Best Hard Rock Performance -War Machine-
♪Producer Of The Year, Non-Classical -Brendan O'Brien-



 5人目のメンバーと呼ばれたボブ・ロックを離れ、リック・ルービンを起用した今作は、初めてメンバー交替劇後、ちゃんとロバート・トゥルージロがベースを弾いた音を聴くことができるようになりました。私はメンバーが交替した直後のバンドに興味があり、前作『ST.ANGER』では(なんと)ボブ・ロックがベースだったということで、今回、メタリカがどんな風に変わったか、そしてリック・ルービンの音がどこまで彼らに影響を与えたかに注目していました。聴いた感じ、そんなに前作と変わらないのでは?というのが第一印象。つまりボブ・ロックが世間の意見に左右されたのか、今までのメタリカを排除した音作りで彼らを原石まで戻したのです。今回はリックがそれに味付けをしてくれた、といった感じに聞こえます。 それにしても(記録上)凄いのがビルボードでは5作連続で初登場1位という記録を打ち立てたということ。

2008年度第51回グラミー賞
♪Best Recording Package
♪Producer Of The Year, Non-Classical -Rick Rubin-



 『DR.FEELGOOD』から彼らを聴き始め、以降はニューアルバムが出るたびに聴いています。今回はなんだかんだで元のさやに収まった(メンバーそれぞれが副業に忙しい?)8年ぶりのニューアルバム。ジャケットは、その名作のパロディみたいな感じがして、彼らも自身の作品を誇りに思うと同時に、越えられなくなってしまった壁と感じているんじゃないかなぁ、と思ったりします。一作ごとに変貌を遂げてきた彼らだけに、後ろを振り向いて欲しくはないと思うのですが。そんなことを思いつつもやはり聴いてしまうのであります。これ、といった曲が無いのは正直聴く回数が減ってしまいますが(どうしても過去の名作に手が伸びる)、全体的な作りはファンも納得する内容です。
 今作は前作『NEW TATTO』の音作りで、あまり新しいものを感じませんでしたが、20年間テンションを変えずに突っ走る偉大なるロックン・ローラー(HR/HM)の手本として君臨し続けて欲しいものです。ニッキー・シックスって、ジーン・シモンズのようにビジネスマンだなぁ。でも彼の詩世界は奥深いモノがあります。


Paul Rodgers ; Vocals
Bryan May ; Guitars, Bass, Vocals
Roger Taylor ; Drums, Vocals
 クイーン名義でリリースされたニューアルバムでは、ヴォーカルに名ヴォーカリスト、元フリー、バッド・カンパニーのポール・ロジャースと組んで、新たな新境地を目指そうというのでしょう。いっときジョージ・マイケルと組むという話もありましたが、こうしてポールとの共同製作に落ちつき、ツアーも行っています。できたらこのコラボで終わらせることなく、このまま進んでいって欲しいと思います。

 フレディのクイーン。それはそれ、これはこれでいいじゃないか。重要なのは彼らがロックしたいということにあるんだから、私はそう思います。ジョン・ディーコンが業界から引退したというのは寂しい限りですが、ポール、ブライアン、そしてロジャーがファンのためにこれからもロックし続けてくれるでしょう。やっぱりこういう音楽は携帯プレイヤーなんかで聴いちゃダメ!大音量でガーンって頭に直撃するぐらいでロックさせなきゃ! ♪We got a cosmos rockin! We got a universe rockin! この曲やタイトルはブライアンが天文学者としての存在を改めて知らしめてくれる曲ですねー。



David Coverdale ; Vocals
 こんなにも元気のいい白蛇には驚き。それもそのはずバックを一新したレコーディングで、バンドとしてはレコーディング上、初めてツインギターという形になりました。ステージではエイドリアン・ヴァンデンバーク&スティーヴ・ヴァイや、ヴァンデンバーク&ウォーレン・デ・マルティーニといったメンツで見ることができましたが、レコーディングでは初めてのことで、かなり分厚い音で作られています。デヴィッドの声もそれに負けじとブルージーな声で対抗し、とても良いアンサンブルに仕上がっています。ここ数年来感じることのなかったデヴィッドのパッションの高さにも驚かされました。

 残念なことに、これだけ完成度の高い作品でありながら、未だに呪縛となっている1987年の【白蛇の紋章-サーペンスアルバスzsが引き合いに出され、セールス云々で比較されてしまっているようです。たとえそれば世間一般(評論家たち)の評価になったとしても、間違いなくここに詰まっている音は、デビッドが作りたかった音なのです。でも、もうちょっとバンドの音をオフ気味でも良いかなぁ。