1993年にリリースされたアルバムのお気に入りを紹介します。


 デビッド・ギルモアが舵を取るPink Floydの二作目。超巨大モンスター・バンドを見事に操りました。このあとの『P・L・U・S』と銘打たれたツアーも大がかりとなり、『狂気』全曲演奏で圧倒的存在を見せつけたビデオも話題になりました。私はLDで楽しんでいましたが、2006年に『驚異 』というタイトルでDVD化されました(LDとDVDでは曲順が異なる)。 このアルバムは大好きで、よくある「無人島に持って行きたいアルバム」の5、いや3本指に入れても構わないと思えるほどです。 それまでのフロイドファンには、ロジャーのいないフロイドは物足りないかも知れませんが、デビッドファンの私には、ソロをなかなか作らない彼のパフォーマンスが堪能できて、これ以上望みようがないと思えるほどの内容です。ヴォーカルにしても、ギターパートにしても。

 このアルバムの邦題は『対』。ジャケットにはバンド名もアルバム名も書かれていません。ただし、ジャケットは国別、メディア別で6種類ほど存在するようですが、これ(上)は初回CD盤。このあと私は紙ジャケでも購入しましたが、やや暗くなり、向かい合う口と口の間に照明が光っています。また、タイトルクレジットが入りました。ビルボードでも初登場1位となりました。特にお気に入りは、で、Lost For Wordsのアコースティックギターと哀愁漂うメロディと歌詞の内容のギャップは、いかにもフロイドらしくて好きです。

Billboard 200(No.1, 1994/04/23

 





 Pink Floydの『対(THE DEVISION BELL)』より1週間ほど早くリリースされたYesのアルバムは、内容が良かったのにプロモーションに力を入れなかったレコード会社のせいで、この傑作にあまり注目が向けられませんでした。全体を通してクリアーな透明感は、まさにジャケットの純白を象徴するかのごとく、ピュアでデジタルな音。そしてコーラス。デジタルとは対極にある人間味。それがロジャー・ディーンのロゴではなく、ピーター・マックスの手書きで書かれたYESの文字を意味しているかのよう。このジャケットセンスも良いです。ちなみにピーター・マックスはビートルズのイエロー・サブマリンで有名ですね。 

 このアルバムは全曲をジョン・アンダーソンとトレヴァー・ラビンが中心に作曲され、イエス史上でも珍しい製作過程となっています。確執のあった二人だけに、このアルバム制作は特別な意味があったのでしょう。ヴィクトリー(レコード会社)が、しっかりとしたプロモートをしていれば、このコンビはもっと長生きしたかもしれません。この作品の完成度が高いだけに非常に残念です。このアルバムとPink Floydの『THE DEVISION BELL』は、スティーヴン・ホーキングがキーワードになっています。