tupichan's billboard hot 100

 
1969年にリリースされたアルバムのお気に入りを紹介します
(チャート関係なく、そしてジャンル問わず)

 



Produced by George Martin.

- The Beatles -
John Lennon; Vocals, Guitars
Paul McCartney; Vocals, Bass, Piano, Guitars
George Harrison ; Vocals, Guitars
Richard Starkey ; Vocals, Drums


♪ ♪ ♪

1969年度第12回グラミー賞
♪Engineered Recording - Non-Classical; Geoff E.Emerick & Philip McDonald(engineers)



 個人的には史上最強のベストアルバムです。芸術家は精神状態が不安定なときほど、(それは負の状態ほどそうだという話をよく耳にします)作品としては良いものができるようですが、ここでジョンはビートルズという呪縛から解き放たれ、創作相手としてポールからヨーコへ移ったことが、これらの作品の中に現れているのではないでしょうか。特に【ABBEY ROAD】のB面は、(プロデューサーのジョージ・マーティンの手腕によるものですが)聴くたびに鳥肌ものです。もともとはバラバラだった断片でしかなかった曲を、マーティンが一つの作品にまとめ(ポールのアイデア)ました。このまとまったテイクを聴くと、「この演奏があの悪名高き映画に描かれている同じメンバーの演奏とは思えない」と、思えてきては鳥肌が立ちます。このアルバムの真価はあの映画を観た後でなければ、ただの傑作としてのロックアルバムで終わってしまいます。

 残念なことに、現段階では映画のDVD化は暗礁に乗り上げてしまったようです。20年近く前に深夜のTBSで放送されたのが、公共としては最後だったのでしょう。幸運にも僕はそれを観ることができました(βにもバッチリ)。だから余計、このアルバムを聴くと鳥肌が立つのです。 思うにジョンにとって、この『ABBEY ROAD』、続くソロの二作、すなわち『JOHN LENNON(ジョンの魂)』と『IMAGINE』が、彼の芸術生活の中で、もっとも充実していた制作期間だったのかも、と思えます。

 なお、第12回グラミー賞では、他にAlbum of the Year(Blood, Sweat And Tears)と、Best Contemporary Vocal Performance by A Group(Aquarius/Let The Sunshine In)にノミネートされていましたが、受賞しませんでした。この頃のグラミーでは、1977年にイーグルスが受賞拒否するまでの間、ロックの市民権はなかったのです(笑)

 先に「悪名高き」と表現してしまった『LET IT BE』ですが、2020年に『ロード・オブ・ザ・リング』で名を挙げたピーター・ジャクソンが『ゲット・バック』 として、彼らの最良の時として繋ぎ直してくれました。これを見ると、あの「悪名高き」と表現してしまった『LET IT BE』の後に、この傑作が作られたと、自然な流れで受け止めることができました。

Billboard Peak Possision #1 on Nov 01, 1969(11wks)

 


Billboard1969

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