星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

岩橋善兵衛(1756-1811)

 江戸時代に商人(魚屋→イワシ屋から岩橋の名をつけたと言う噂も)の家に生まれ、眼鏡のレンズ磨きを生業としているうち、天文をはじめとする自然科学に興味を持つようになりました。易学者・皆川淇園(私の祖先とは関係ありません)などと交流を深めまます。渡来品の研究を行い寛政2年(1790年)頃、望遠鏡を作り評判を得るようになり、多くの天文学者(伊能忠敬ほか)、大名から依頼を受け、現在も各地に残されているようです。
岩橋善兵衛(龍雲寺)

 岩橋善兵衛のお墓は、龍雲寺(大阪府貝塚市海塚3ー16ー1)の海塚墓地にあります。そして、ここからほど遠からぬ場所に生家跡があります。以前はマンション脇に史跡を知らせる杭もあったようですが、土地所有者となるオーナーから「お墓のよう」とのことで、外されてしまい、説明板だけが植え込みの中に設置されていました。こちらは地図にも記載されていないので、そのうち忘れ去られてしまいそうです。プレートは大阪府貝塚市新町17−10(2019/12/27)


 


 順番は前後しますが、この2つの史跡を訪ねる前に善兵衛ランドに寄りました。前日から近くの鶴原のゲストハウスに宿を求め、そこのオーナーから水間鉄道が面白いというので、歩いていくのを止めて鉄道を使いました。
  ランドでは常設のニュートンカセグレン60センチを主鏡とする数台の望遠鏡を使って、私一人のために昼間の観望会を開いてくれて、太陽(プロミネンス?)と、ヴェガ、デネブ、そしてリクエストしたアルクトゥルスを青空の中に導入してくれました。そして展示品の一つ一つに丁寧な解説をしていただき、紙面でしか関わりのなかった岩橋善兵衛の存在が徐々にリアルな人物像へと変化していくのを感じました。


 
善兵衛ランドは貝塚市三ツ松216。お勧めは貝塚からワンマンカー2両編成の水間鉄道で三ヶ山口下車。
期間限定で展示されていた望遠鏡の実物(渡辺提供)
 
 

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