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William Herschel (1738-1822) |
私が初めてハーシェルの音楽に接したのは、1986年にFMでオン・エアされたときです。その時のDJも「恐らく日本のFMでは初登場の作曲家」という紹介をされていました。その時に演奏された曲も、このアルバムには収録されています。しかし、ラジオでは弦楽四重奏という形で「シンフォニア」と紹介していたので、個人的にはこちらの形態は、やはり「交響曲」と呼ぶにふさわしいスケールがあり、そしてハイドンやモーツァルトと同じような古典的なスタイルを踏襲しています。 天文ファンにしてみれば星数えをして当時の宇宙の形を実測により推測したり、天王星を発見したり、常に宇宙を意識していた音楽家だけあって、そうした雰囲気の音楽を作曲してくれているのでは?と期待してしまいがちです。しかしハーシェルにとって音楽は「職業」、天文は「趣味」と区別して考えていましたから、彼の音楽にはそういう神秘的な作品は皆無と考えた方が良さそうです。 いわゆる標題音楽と言うのは、まだハーシェルの時代に流行っておらず、例外としてヴィヴァルディの『四季』や、ベートーヴェンの『田園』があったぐらいではないでしょうか? |