|
William Herschel (1738-1822) |
ヨーロッパ南天天文台(ESO)に籍を置く天文学者でありながら、オルガニストという経歴の持ち主ドミニク・プルーストとは、さながら現代のウィリアム・ハーシェルと呼べるかもしれません。 短調を1曲だけ含み、残り10曲(変ホを含む)は長調の曲が並びます。澄んだオルガンの音色が、青空を思い起こさせてくれるのは、もはや連想ゲームの域かもしれません(笑)。バッハのように神のため、礼拝のためといった趣ではなく、おそらく音楽教育の一環としてレッスンを想定した単調な雰囲気なので、深い感動を呼ぶ起こしてくれるような曲想は得られませんが、天文ファンなら、彼の思いが天空を突き抜けて遥か宇宙の彼方へと想像することは簡単ではないでしょうか? そんな創造力豊かなリスナーなら、このアルバムが決して退屈な一枚であるはずがありません。私は個人的に暮れの時期に取り出して聞くことが多い一枚です。 |