星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

〜『ギリシア神話』の辞典〜
 ギリシア神話に描かれる森羅万象にはすべて神々を住まわせ、いろいろな意味を持たせています。また、複雑な神々の系譜によっては、誰が誰と何をした? といった疑問が読み進めるたびに増えてきます。今まで読み込んできたページを戻るのもいいのですが、ここは手っ取り早く辞典を活用しましょう(笑)。

 私たちが読むことのできるギリシア神話の本は、原典を作者が読みやすいように編みなおしているため、場合によっては重複する場合もあり、しかも表記が時代によっては異なったりして何が何だか分からなくなることがあります。そんな時に役立つ、道しるべになってくれるのが「辞典」でしょう。しかも、必要最小限なストーリーだけの書籍に比べると、実は辞典の方が内容が濃かったりするキャラクターもいて、辞典を読んでも楽しいところがギリシア神話の面白いところです。

 

 私が初めて手に取った神話辞典。先に紹介しているそれぞれの神話のエピソードに登場しない名前や、話よりも詳細に調べることもできるため、辞典というより「ギリシア神話の本」としての意味合いの方が強く感じます。当然、アイウエオ順に並んでいるために、一連の物語として読むことはできませんが、どの単語にも関連語が併記されているので、個人的にはなんの苦労もなく楽しめる「本」です。

 

 ギリシア神話を読み続けていると、次に期待してしまうのが、のちの人々がギリシア神話をどう料理して、新たな息吹を与えてくれているだろうか?ということではないでしょうか? 文字だけでも、様々な発想を連想させてくれますが、この事典には、ギリシア神話から影響を受けた、文学、美術、音楽、映画といった芸術作品などを紹介してくれる楽しい本です。 「へぇ」というトリビアが実に多かった。 

 

 見た目は、何の変哲もない地味な顔立ちの辞典。しかも薄い。 こんなにも薄い辞典なのに、1960年に出版され、日本のギリシア神話愛好家にとってバイブル的存在。辞典となっていますが、これ一冊でかなりの量の神話本を読んだ気になってしまいそうです。

 

  2010年6月に京都大学学術出版会から出版。「これぞ辞典!」見た目といい大きさといい、圧倒的な内容です。カノープスの由来に関する記述もあり、「よっこいしょ!」と言いながら、何かと利用頻度が多いです(値段も値段だし、払った分は活用しないとね!)。神話も悲劇も何もかも、詰まってます。




 原書は2010年に出版され、10年目にして邦書として6月に出版されました。大修館書店からは、上の写真に登場してもらった(笑)の1973年(邦書は1983年)事典もあり、それぞれの特色があって楽しめます。
 さてさて、どうやって楽しもうかと考えました。名前の通り事典として字引として活用するか、それとも気ままに開いたページを読むか?

 まぁ、私としては天文関連の言葉をかい摘んでページをめくることからはじめましょう。というわけで、最初にもくじに目を通して目についたのは「黄道十二宮」「カノポス」あたり?

もどる(ギリシア神話を楽しむ)home(一番星のなる木)