ギリシア神話の中に天文的なかかわりを探すには、
かなり一苦労します。

その代りに星との関わりを綴ってくれているのが
ヘシオドスの『仕事と日』が代表である農業に関わりのある詩です。
あの星が昇ったら種をまけ、水をくめ、道具の手入れをしろ…
こうした農業への取り組みを星の動き、神々の恵みをつづった歌。

神話と違って、実生活に根付いた内容なので、
当時の人々と星空のかかわりは色濃く反映されています。

星好きなら読むべき書物ではないでしょうか?

 

 『変身物語』の作者、ウェルギリウスが祝祭や故事などを1月から綴った作品。現存する文書はすべて存在しているのですが、7月以降、作者がローマから追放されてしまったために執筆されず。この作品は、野尻抱影が「ファーステイ」と表現していた「祭事暦」のことです。

 

 こちらは『アイネイアース』の作者で知られるウェルギリウスの農耕詩。オウィディウスと同じく、農作業に即した星の動きなどがつづられています。

星座が消えたり現れたりするのを
また、一年を等しく四つに分けたそれぞれの季節を見守るのは 決して無益ではない

ウェルギリウスのこの言葉ほど 星好きを喜ばせるのではないでしょうか?
この時代、すでにアラトスやヒッパルコスによって星座が制定されていますが、 (プトレマイオスの『数学全書』はもうちょっとあと) 当時の人々にとって星空は娯楽であり、安らぎでもありました。 ヘシオドスの『仕事と日』にも似た大地と天球とのかかわりを 農耕詩として牧歌的な体験をすることができます。

 

 

牧歌 農耕詩/ ウェルギリウス
(京都大学学術出版会)
 すでに未来社から出版されていましたが、ここに京都大学学術出版会からも別訳で読むことができるようになりました。他の作品と「並べて」おくならば、こちらの方がいいですねー(笑)。

 

星辰譜/ アラトス
(京都大学学術出版会)
 これこそ、天文ファンが待ち望んでいた世界最古の星座リスト。詩の形式は散文になっていますが、ここにはヒッパルコスから受け継いだ当時の星座たちが歌い上げられています。

 

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