収録された陶器は全部で47。神々や英雄、そして動物たちが時には断片しか残っていないような陶器に描かれていますが、当時を偲ぶには充分な雰囲気を持っています。
多くの画家がギリシア神話をテーマに名作を残してくれていますが、この一冊が、その絵画の世界への入口となってくれることは間違いありません。テーマとなっている物語を、ひとつひとつの作品から読みとるには、いささか無理がありますが、ひととおりギリシア神話を読んでいれば、これがどのシーンを描いていたかがわかるはずです。
この本をギリシア神話の入口として手にすることは避けた方が良いと思いますが、すべてがカラーで掲載されているので、物語を読み始めるきっかけとなるかもしれません。本書の後編には、神話とは一切関係のない作品が紹介されていますが、絵画作品は、ここに掲載されていない主題も数多く描かれていますので、III以降の主題は外してもらって神話のみにしてもらえると嬉しいなぁ。
なお、カラーページばかりなので、A5ソフトカバーとはいえ、重たいです。
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