紀元前三世紀頃、
エジプトを治めていたマケドニア王朝のプトレマイオス三世は、
その尊称「エウエルゲテス(善行者)」と、
人民から言われるだけあって人望の厚い王でした。
エウエルゲテスは詩人アポロニウスから教育の手ほどきを受け、
アレクサンドレイアの学芸、地理学、天文学など、
王の影響もあって、学問的にも恵まれた時代だったのです。
彼はキュレネの女王ベレニケ二世を妻に迎えてキュレネと合併し、
第三シリア戦争に打ち勝って、
シリアと小アジアを攻略し、
父が基礎を固めた王朝の黄金時代をもたらせました。