ピアノの旋律が力強く「怒りの日(ディエス・イレ)のメロディを奏でていますが、実はこの旋律の作曲はリストではなく、もっと古い時代に歌われていました。グレゴリオ聖歌の中にその旋律を聴くことができます。リストや、その先生に当たるベルリオーズが幻想交響曲の中で用いた頃から、この旋律が「死」を象徴するようになってしまいました。
せっかくなのでこの「怒りの日」のメロディが登場する主な曲をリストアップしてみましょう。
・幻想交響曲;第5楽章(エクトル・ベルリオーズ)
・死の舞踏(フランツ・リスト)
・交響曲 第3番、死の舞踏 (カミーユ・サン=サーンス)
・交響曲 第2番 (グスタフ・マーラー)
・交響曲第1番、パガニーニの主題による狂詩曲、交響的舞曲、鐘、晩祷(セルゲイ・ラフマニノフ)
・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番(オーギュスト・イザイ)
これらのうち、「もろ引用」として有名なのはベルリオーズとリスト。前者は映画『シャイニング』で効果的に使われているので、思い出す方も多いのではないでしょうか? リストはブオナミーコ・ブファルマッコの「死の勝利」(カンポサント教会)からインスピレーションを受けて作曲したと言うことです。
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