星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

北からの協奏曲
−アヴィソン、ガースとハーシェル

 

 


The Avison Ensemble
with
Anner Bylsma; Cello
Pavlo Benznosiuk; Violin

 

 

   

 

Charles Avison(1709-1770)
合奏協奏曲 ト長調 Op.3-6(Concerto Grosso in G major)
01. Allegro moderato
02. Allegro
03. Lentemente
04. Con spirito


William Herschel (1738-1822)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(Violin Concerto in D minor)
05.I. Poco allegro
06. II. Adagio assai
07. III. Allegro assai
Pavlo Benznosiuk; Violin

Charles Avison(1709-1770)
合奏協奏曲 ホ短調 Op.3-2(Concerto Grosso in E minor)
08. Adagio
09. Allegro spiritoso
10. Lento
11. Grazioso

John Garth (c.1722-1810)
チェロ協奏曲 第6番 ト長調(Cello Concerto No.6 in G major )
12. I. Allegro
13. II. Siciliana
14. III. Allegro

Anner Bylsma; Cello

Charles Avison(1709-1770)
スカルラッティの鍵盤練習曲による合奏協奏曲集(Concerto after Scarlatti No.12 in D major)
15. Adagio
16. Allegro spiritoso
17. Lento
18. Grazioso
19. Grazioso

 
 このアルバムに取り上げられている3名の作曲家は、世間的(クラシック・ファン)の中でもマイナー中のマイナーな存在かも知れません。私はハーシェルが目当てでしたので、それ以外の作曲家に関しては全く無知でした…
 演奏はThe Avison Ensemble。チャールズ・アヴィソンにちなんで命名された英国の楽団で、総勢12名のアンサンブル。客演としてチェロのアンナー・ビルスマが招かれています(唯一、演奏家のポートレイトとしてジャケットに。モーツァルトやハイドンというよりはバッハなどのバロックに近い音に癒されます。

  アヴィソンの曲に挟まれてハーシェルとガースの作品がそれぞれ1曲ずつ収められ、その作品に独奏者を要するプログラムが組まれています。ハーシェル・ファンとしてはもっと彼の作品を聴きたいところですが、ほとんど取り上げられることが無いだけに、1曲だけでも聞くことができるのはありがたいことだと思っています。そのハーシェルの曲はヴァイオリン協奏曲。アンサンブル・リーダーのパヴロ・ベズノシウクがソロを務めています。
 アヴィソンの作品はコンチェルト・グロッソというバロック特有の音楽形式で、合奏とトリオ・ソナタが交互に演奏を繰り広げるスタイル。個人的にはチェンバロの音が好きなので、ハーシェル目当てで手にしたアルバムでしたが、結果は新しい音楽と巡り会うことができたことは、素直に嬉しいです。このスタイルで演奏されるのは、アヴィソンの3曲。その間に挟まれてハーシェルのヴァイオリン協奏曲、ガースのチェロ協奏曲が演奏されるという工夫が織り込まれています。

 

作曲家の履歴
Charles Avison(1709-1770)
 18世紀英国における最も重要な協奏曲作曲家と賞賛されたチャールズ・エイヴィソンは、オルガニスト兼作曲家。前半生はあまり知られていないようです。ネットを調べても肖像画は見つかるものの、ウィキペディアぐらいの情報程度しか見つけられませんでした。とはいえ、当アルバムを演奏しているグループが、この作曲家の名を冠にしているとこりからも、本国では知られた作曲家ではないでしょうか。
John Garth (c.1722-1810)
 チャールズ・アヴィソンの友人でオルガニストの作曲家。アヴィソンと同じく前半生はあまり知られていないようです。
 
William Herschel (1738-1822)
 現在は作曲家として語られることよりも、天文学者として紹介されることが多いようです。ハイドンとの交流で知られていること以外、音楽史の中で語られることはほとんどありません。(ハーシェルのページ/日本ハーシェル協会のページ

 

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