星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

古典に読む「宇宙」「天」「天文」 「星」 など

仕事と日/ヘシオドス
岩波文庫/松平千秋訳
仕事と日
ヘシオドス全作品
神統記
→ギリシア神話に登場する神々を系統立てている。後のアポロドーロス『ギリシア神話』、オウィディウス『変身物語』などに続く。
仕事と日
→農耕に関わりのある「星座の入り」などの詩が多数。プレアデス、シリウス、アルクトゥルス、オリオンの名前が記されている。
ヘラクレスの楯
断片集(アストロノミア またはアストロロギア)
 
京都大学学術出版会/中務哲郎訳
 




初期ストア派断片集3(京都大学学術出版会)/山口義久訳
天文に関する項目のみ記載しています
2.宇宙について
万有と全体の違い
コスモスという言葉の二つの意味
宇宙は一つである
宇宙は有限で一体化しているが、無限の空虚によって取り囲まれている
宇宙は球形で安定している
宇宙の大部分は何であり、どのような秩序に従っているか
宇宙は生じたものである
宇宙はいかにして生じたか
宇宙は滅びることになる
宇宙の大燃焼と再建の永遠的な交替
宇宙は理性的な生きものである
3.天体と天空について
大地について
太陽について
月について
星々について
一年の部分(四季)について
気象について
京都大学学術出版会/山口義久訳




星辰譜/ アラトス
【ギリシア教訓叙事詩集】
京都大学学術出版会(----年--月--日発行)
 すべての星座に関する原典であり、世界最古の星座リストです。一般には古代星座と言えばプトレマイオスの48星座が『アルマゲスト』の中でリスト化されていますが、何を隠そう、そのプトレマイオスが参考にしたのが、このアラトスでした。
 実はそのアラトスでさえ 、ヒッパルコスから受け継ぎ、そのヒッパルコスもプラトンの弟子のデータを参考にしていました。

  普通に読む星座の解説書とは違って、詩という形で歌い上げているので、なかなか理解しずらいところがあるかもしれません。それでも、太古の人たち(当時の若者)に、神々が作った天空に掛かる星々へ想いを馳せてもらえるようにと書いたものです。当時、この詩は占星術と共に大流行したようです。ただ、アラトスは天文学者ではないため、ヒッパルコスの間違いに気づくこともなく(しかも本人も実際に星空を眺めて書いたわけではない)、想像力を働かせて書いた詩なので、間違いをそのまま詩にしています。そのため現実に通用する星座の本ではありませんが、そうした間違いも含めて、楽しめれば、きっと古典の世界に足を踏み込めるでしょう(笑)。

  現在、邦訳で読むことができるのは京都大学学術出版会の『ギリシア教訓叙事詩集』のみです。




アルマゲスト/ プトレマイオス

【アルマゲスト・復刻版】
恒星社(1982年発行)

 星座と言えばプトレマイオス。今の世の中で、原書であるこの『アルマゲスト』が顧みられることはほとんどありません。日本でも唯一の邦訳が年に出版されて以来、新訳がないために貴重な一冊です。
  古代星座、つまりプトレマイオス48星座と言われる星表が第七巻第五章に「北半球の星座を形成する星々の表」、第八巻第一章に「南半球の星座を形成する星々の表」が掲載されています。

 私が持っているのは復刻版で一冊に収まっているために、少々分厚い体裁になってしまっています。時々、大型書店の専門書のコーナーに姿を現すことがあります(笑)
  一次、京都大学学術出版会から出版予定になっているという情報が出ていたことがありますが、今のところ音沙汰ありません。




博物誌/プリニウス
天文に関する項目のみ記載しています
第2巻:宇宙・気象・地球
第18巻:植物

→植物と関わり(種まき、収穫じきなど)を持つ星座の昇りなどが記述されている。
→うしかい座、しし座、おとめ座、てんびん座、おひつじ座、ふたご座、みずがめ座、プレアデス、オリオン座、ヒアデス、やぎ座、シリウス、プロキオン、こいぬ座、こと座、や座、いるか座、スピカ、かんむり座、ぎょしゃ座、

 
 
雄山閣/中野定雄、中野里美、中野美代訳




ヘヴェリウス星座絵図(薮内清)
【ヘヴェリウス星座絵図<新装版>】
地人書館(1993年4月15日
発行)

 通常、目で見た姿のイメージで楽しむことが多い星座たちですが、この星図が制作された十五、六世紀頃は、天球側から星座を見た姿、つまり神の目で見た姿で描かれているために、すべての星座たちの姿が背後から描かれています。結構衝撃的な星座絵図集です。その頃の人たちにとっては当たり前の姿ということを知ったときも、結構衝撃を受けました(笑)。当時はこれが当たり前。現在は芸術的観点の評価を得ています。





フラムスティード天球図譜
【フラムスティード天球図譜<新装版>】
恒星社編(1989年2月25日
発行)
 ヘヴェリウスの星座絵図集と同じく、ギリシア神話のイメージを色濃く反映した版画星図ですが、こちらは地上の人間が見た通りに描かれています。つまり制作時には逆さに描いていました。ヘヴェリウスの場合と違うのは、単に左右が逆に原画を描くことでしょうか。
 フラムスティードの星図は、ほとんどの星座関連に採用されている作画で、きっと一度は見たことのあるページが次から次へと登場してくるはずです。ただ、残念なのは見開きで一枚にしていること。ヘヴェリウスのように大版になっても構わないから、各星座を一枚に印刷して欲しかったなと… そして本自体の作りが結構雑な張り合わせのような装丁なので、本特有の湿気を含むと張り合わせたノリの部分が膨らんで、ページが分裂気味です(涙)


古典に描かれた星たち

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