日本の天文学をこれほどまでに詳細に記述してくれている書籍は、残念ながらこの書を置いて他はないのではないでしょうか? 著者本人も、総説の中で「日本の天文学史として、まとめられた邦書ははなはだ少なく…」と書かれている通りかもしれません。この分厚い本書が出版されたのも、昭和62年、西暦で1987年です。私がこの書を手にしたのは令和元年、正確にはこの年の1月に日比谷で行なった講座資料として図書館で借りたもの。これだけの資料をその都度図書館で借りるのも、その頻度を考えると購入を考えましたが、とにかく古書が高い! 今のところ図書館に力を借りる術しかありませんが、願わくば再販を望みたいとこrです。

 

近世日本天文学史(上・下)/渡辺敏夫


もくじ(上)

序章

第1章 古代の天文学概説
 1. 古代の天文学
 2. 大陸文化の輸入
 3. 暦日の施行
 4. 天文博士・暦博士

第2章 西洋天文学の東漸
 1. 古代の天文学
 2. 大陸文化の輸入
 3. 暦日の施行
 4. 天文博士・暦博士

第3章 『天経或問』
1.『天経或問』の舶載

第4章 日本天文暦学の先駆者渋川春海と貞享の改暦
 1. 貞享改暦前の日本天文学
 2. 渋川春海と改暦
 3. 春海の天文学とその著作
 4. 渋川春海の門弟
5. 安倍家(土御門家)
 6. 賀茂家(幸徳井家)
 7. 天文方

第5章 貞享改暦後の天文暦学
1. 授時暦
 2. 授時暦意外の天文暦算書
 3. 長 暦
 4. 暦注書
5. 交食考について

第6章 宝暦の改暦
1. 八代将軍吉宗と禁書令の緩和
 2. 改暦御用観測始まる
 3. 天文方上京
 4. 帰府後の土御門と西川の交渉
5. 西川正休の心底
 6. 天文方(西川正休)再度上京
 7. 新暦書校正の開始と正休の失脚
 8. 貞享補暦と宝暦改暦
 9. 西村遠里の宝暦改暦批判

第7章 宝暦暦法の失敗とその修正
1. 宝暦13年9月朔日日食予報の失敗
 2. 宝暦暦法の修正
 3. 宝暦改暦前後の天文学

第8章 蘭学の交流と天文学
1. 麻田の起り
 2. 麻田剛立の天文学

第9章 寛政の改暦
1. 寛政改暦に至るまで
 2. 高橋至時と改暦後
 3. 麻田派の人々

第10章 ラランデ天文書の入手とラランデ暦書管見
1. ラランデ天文書
 2. 至時の著述
 3. 間重富

第11章 地動説の導入
1. 本木良永と『天地二球用法』
 2. 地動説の伝播
 3. 志筑忠雄と『暦象新書』
 4. その後の地動説

第12章 浅草暦局の活躍と高橋景保
1. 高橋景保
 2. 著書和解御用
 3. シーボルト事件
 4. シーボルト事件の周辺の人々

第13章 仏教天文学と梵暦運動
1. 仏教天文学
 2. 釈円通と梵暦
 3. 梵暦反対論
 4. 円通梵暦運動の後継者たち

第14章 国学者の天文学
1. 和学古道学者たち
 2. 平田篤胤の古道説
 3. 佐藤信淵の天文学
 4. 鶴峯戌申とその天文観


第15章 天保の改暦と渋川景佑
1. 渋川景佑
 2. 天保の改暦
 3. 渋川景佑の著述
 4. 天文台とその属官
5. 江戸幕府旧蔵洋書と天文書
 6. 土御門家とその暦学者たち

第16章 測量術と航海法
1. 本邦の測量術
 2. 伊能忠敬と日本全図
 3. 関西以西の測量
 4. 伊能忠敬後の測量家
5. 航海術について
 6. 天文方の航海術研究

第17章 測量術と航海法
1. 民間における天文学
 2. 占候書について

第18章 太陽暦採用
1. 江戸時代における太陽暦
 2. 太陽暦採用



もくじ(下)

第1章 総説

第2章 日本の天文台
 1. 天文台
 2. 京都梅小路天文台
 3. 京都西三条台暦所
 4. 江戸の天文台
5. 私設天文台
 6. 地方の観測所

第3章 儀象史
 1. 中国の儀器
 2. 渋川春海時代の測器
 3. 宝暦改暦時の儀器
 4. 寛政改暦前後に創製の儀器
5. 航海用天文観測器

第4章 天文観測用時計
 1. 漏刻
 2. 時計の伝来
 3. 時計の製造者
 4. 渋川春海の百刻環
5. 宝暦改暦のとき使用の時計
 6. 麻田派天文家使用の時計

第5章 望遠鏡の歴史
1. 望遠鏡の渡来
 2. 望遠鏡の制作者
 3. 麻田剛立と望遠鏡
 4. 岩橋善兵衛製作望遠鏡
5. 麻田立達の望遠鏡
 6. 望遠鏡の称呼
 7. テレスコッペン
 8. 望遠鏡の値段と普及度
 9. 避眩鏡(ゾンガラス)

第6章 経度・緯度の測定、子午線決定
1. 子午線決定法
 2. 緯度の決定法
 3. 経度の測定

第7章 太陽赤道経緯度測定

第8章 日食と月食
1. 日食と月食の記録
 2. 交食記録の整理と精度
 3. 観測技術と観測器
 4. 交食観測の難易
5. 食甚時刻の決定
 6. 日食各論
 7. 月食各論

第9章 惑星観測
1. はじめに
 2. 高橋至時と五星法
 3. 五星観測
 4. 金星・水星観測
5. 水星太陽面経過
 6. 五星観測の精度
 7. 天王星の観測

第10章 星食・凌犯
1. 凌犯について
 2. 凌犯記録
 3. 木星四衛星の食、掩蔽

第11章 本朝彗星史
1. 彗星の定義
 2. 彗星観測の記録
 3. 彗星観測法
 4. 観測の精度
5. ハレー彗星
 6. 各彗星記録

第12章 日本星図史
1. 総説、中国の星座
 2. 中国星座の変遷
 3. 西洋星座と星名
 4. 個々の星の命名
5. 中国星座の組織構成
 6. 中国星図の構成
 7. 日本の星図
 8. 中国伝来の星図
 9. 保井春海の星図の研究
10. 日本の刊行星図
11. 天球儀について

第13章 清濛気差の観測


第14章 その他の観測
1. 太陽面現象
 2. 月面観測
 3. 惑星面観測


附録
1. 渋川・高橋両家の著書及び蔵書目録と所在
 2. 近世日本天文学史表(1601〜1873)

人名索引

 
 

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