ここで聴くサティは、サティが生きていた時代(1866-1925)に作られたピアノ、サティの時代の空気を吸っていたピアノによって奏でられています。聴き手によっては古くさい、変な音がする、音楽じゃない などと耳をふさいでしまう人もいるかもしれませんが、そんなこと気になさらずに、タイムカプセルを開けて聞こえてくる音楽だと思ってくださいな。


♪グノシエンヌ 第1番/第2番/第3番
♪『星たちの息子』 への3つの前奏曲
♪『天国の英雄的な門』 への前奏曲
♪ばら十字団のファンファーレ
♪ジムノペティ 第1番/第2番/第3番
♪4つのオジーヴ

1905年製エラール
 インマゼールのもとでラヴェルのピアノ協奏曲でソリストを務めているクレール・シュバルベが、ラヴぇエルのレコーディングの時と同じエラールを使ってサティのアルバムを録音してくれました。すでにリリースされている楽器と比べると20世紀に入ってから制作された、わりあい新しめのピアノ、と言えるかもしれません(100年以上経ってはいますが!)。




♪ジムノペティ
♪グノシエンヌ
♪冷たい小品集
♪ゴチック舞曲
♪3つの歌曲(天使/花/シルヴィ)*
♪サラバンド 第1番/第2番/第3番
♪『天国の英雄的な門』への前奏曲

1875年製エラール
*Patrice Maginnis(ソプラノ)
『VISIONS』というタイトルが付けられたアルバム。1875年製のピアノで演奏され、1曲だけソプラノが歌っています。歌い手には伴奏としてのピアノと考えると、結構きついのでしょうか。ラスリーや、インマゼールはドビュッシーのメロディを取り上げていますが、歌手に対して、そんなコメントを寄せていたような気がします。




グノシエンヌ第1番/貧しき者の夢/カドリール舞曲(メデューサの罠)/快い絶望/ グノシエンヌ第2番/最後から2番目の思想 〜牧歌、朝の歌、瞑想/グノシエンヌ第3番/第1幕への前奏曲=使命(星たちの息子への3つの前奏曲)/ジムノペディ第1番/彼の鼻眼鏡(嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ)/グノシエンヌ第4番/うつろな空想/困った前例/愛撫/甲殻類の胎児(ひからびた胎児)/家でひとり(<犬のための>ぶよぶよした本当の前奏曲)/グノシエンヌ第5番/ノクターン第4番/練習/グノシエンヌ第6番

1870製プレイエル

 邦題が『うつろな空想』と名づけられ、解説には細野晴臣氏がコメントを寄せています。そうした音楽ファンをターゲットにしているのでしょうか。曲目がバラバラで20曲。コンサートを意識しているのか… ちょっとこういう配列は苦手。しかし1870年製作のプレイエルには惹かれます。解説に細野晴臣が意外。




グノシエンヌ第1番/グノシエンヌ第2番/グノシエンヌ第3番/グノシエンヌ第5番/ゆがんだ3つの踊り第3番(冷たい小品集)/グノシエンヌ第4番/逃げ出したくなる3つの歌第1番(冷たい小品集)/ゆがんだ3つの踊り第1番(冷たい小品集)/逃げ出したくなる3つの歌第2番(冷たい小品集)/ゆがんだ3つの踊り第2番(冷たい小品集)/舞踏への小序曲/グノシエンヌ第6番/最初の思想・バラ十字会/ジムノペディ第1番/愛撫/ジムノペディ第2番/逃げ出したくなる3つの歌第3番(冷たい小品集)/ジムノペディ第3番/サラバンド第1番

1855年製エラール

 GLOSSAというレーベルから1998年にリリースされていたアルバムで、サティを初めて古楽で聴くことができました。今まではチッコリーニの現代ピアノの音に慣れていたので、この古風で、まろやかな感じのサティは非常に新鮮でした。しかも演奏しているピアノがサティ生前に作られたピアノ、今まで聴いてきたサティの中では最も古いピアノを使っています。しかし、柴野さつきさんのアルバムのように、組曲的な曲がバラバラに配置されているのはやっぱり苦手。




♪劇音楽『星たちの息子』
第1幕:前奏曲/使命-カルデアの夜
第2幕:前奏曲/入信-大寺院の地下の大広間
第3幕:前奏曲/呪文-パテシ・ゴデア宮殿のテラス

1899年製ベヒシュタイン



 鬼才と呼ばれるアレクセイ・リュビモフが「星の息子」をレコーディングしました。これまでに、この曲だけが取り上げられたことは非常にまれで、先の柴野さつきさんが(現代ピアノで)取り上げている一例ぐらいでしょうか?そんな貴重な楽曲を、1899年製のベヒシュタインで演奏しているのですから、非常に興味深いものです(2011年のドビュッシーのレコーディングでも、このレコーディングと同じ1899年製ベヒシュタインを奏しています)。





♪グノシエンヌ (第1番〜第7番)
♪ピカデリー
♪ あらゆる意味で、でっちあげられた数章
♪最後から2番目の思想
♪太った木の人形のスケッチとからかい
♪ 官僚的なソナチネ
♪金の粉/ひからびた胎児
♪ 自動記述法
♪1世紀ごとの時間と瞬間的な時間
♪壁掛けとしての前奏曲
♪ 嫌な気取り屋への3つのワルツ
♪ジュ・トゥ・ヴー
♪ジムノペティ 第1番/第2番/第3番

1890年製エラール

 生誕150周年となる2016年からレコーディングが開始されたソロ作品全曲シリーズの第一弾。1890年製のエラールが選ばれ、SACDというフォーマットでリリースされます。もう私にとっては一石二鳥のような企画!第二弾以降も同じピアノが使われるのかどうか気になるところ…(同じピアノでした!)

 全曲レコーディングと言えば、現在高橋アキもファツィオーリを奏してカメラータとブルーレイ・オーディオで進行中ですが、どちらが先に完成するでしょうか?どちらも高音質での録音。サティも進化したなぁ。






♪「天国の英雄的な門」への前奏曲
♪スポーツと気晴らし
♪3つのサラバンド
♪犬のためのぶよぶよした前奏曲
♪犬のための本当にぶよぶよした前奏曲
♪ばら十字団のファンファーレ
♪短い子供のお話〜子供の曲集より
♪絵に描いたような子供らしさ〜子供の曲集より
♪「星の息子」への前奏曲
♪迷惑な軽い罪〜子供の曲集より
♪新子供の曲集

1890年製エラール

 無事に届けられた第2集。「無事に」という感想は、1890年製のエラールで、ということ(笑) 。個人的に一番聴きたかった?「天国の英雄的な門」への前奏曲が早々に聴けて嬉しい。






♪ヴェクサシオン(142回)

1890年製エラール

 今回届けられた第3集は、なんと「苦痛、嫌がらせ、自尊心を傷つけるもの」等と言った意味を持つという名の1曲のみ。楽譜には1分程度の音符が綴られているだけの短い音楽ですが、そこにはサティらしいユーモア(?)で840回繰り返す指示が書かれている曲。このCDには収録時間ギリギリまで録音してくれていますが、1順だけレコーディングしてあとはループさせたわけではないので、ピアニストに撮ってはサティのもくろみ通り苦痛だったのではないでしょうか?






♪ワルツ=バレエ
♪グノシエンヌ第1〜3番
♪金の粉
♪薔薇十字団の最初の思想
♪薔薇十字団のファンファーレ
♪3つのジムノペディ
♪ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)
♪グノシエンヌ第4〜6番
♪3つの夜想曲

1871年製エラール
 平均律ではなく「プリンス」というピタゴリア音律(←ピタゴラス?)とミーントーンがブレンドされた調律法をとったということ。微妙なピッチの綾が、ドビュッシーをして「今世紀に迷い込んだ中世の優しい音楽家」と言わしめたサティの音楽が持つ特別な雰囲気を自然に引き出すことに成功(メーカーの解説)。また、「ACOUSTIC REVIVE」レーベルの高音質録音でサティの細部にまでこだわったようです。録音場所がオランダのドープスヘジンデ教会というも効果があったのかもしれません。





アレグロ / ワルツ-ヴァレ/ 幻想-ワルツ / 四重奏曲 第1番/ 第2番 オジーヴ / 3つのサラバンド / 3つのジムノペディ / グノシエンヌ / ハンガリーの歌 / 3つのグノシエンヌ / ばら十字団の最初の思想:初稿? /「至高の存在」のライトモティーフばら十字団のファンファーレ / 教団の歌 / 大巨匠の歌 /大僧院長の歌 / 「星の息子」第1幕へのグノシェンヌ

1881年製エラール(コジマ・ワーグナー所有)
 2016年に出版されたサラベール新版を用いて録音され、フランツ・リストの娘で、リヒャルト・ワーグナーの2番目の奥さんであるコジマ・ワーグナー(1877-1930)所有の1881年製エラール(model55613)を使用している興味深い全集録音が開始されました。 コジマ・ワーグナー所有という楽器を用いるという発想はどこから来たんでしょうか? 





♪劇付随音楽『星の息子』
♪若き令嬢のためにノルマンディの騎士によって催された宴

1881年製エラール(コジマ・ワーグナー所有)
 2016年に出版されたサラベール新版を用いて録音され、フランツ・リストの娘で、リヒャルト・ワーグナーの2番目の奥さんであるコジマ・ワーグナー(1877-1930)所有の1881年製エラール(model55613)を使用している興味深い全集録音が開始されました。 コジマ・ワーグナー所有という楽器を用いるという発想はどこから来たんでしょうか? 




ナザレ人の前奏曲 / ウスピュ(3幕の宗教バレエ) / エジナール(アインハルト)の前奏曲 / ゴシックの舞曲 / ヴェクサシオンズ / 『貧者のミサ』より / 『天国の英雄的な門』への前奏曲 / グノシェンヌ 第6番 / グノシェンヌ?(踊り子たちへの小序曲) / 冷たい小品(3つの逃げ出させる歌) / 3つの逃げ出させる歌 第2番(より半音階的に) / 冷たい小品(ゆがんだ踊り) / ゆがんだ踊り II

1881年製エラール(コジマ・ワーグナー所有)
 2016年に出版されたサラベール新版を用いた全集の第3弾は1892年から1897年に書かれた作品が収録されています。サティの作品は「なんだそりゃ?」という曲名があったりして、眺めているだけでも楽しめるのですが、このシリーズでは初録音なども多く聴きどころ満載です。





題名のない小品(愛撫)/ あなたが欲しい / びっくり箱 / スケッチとクロッキーの手帖 - 前奏曲 / 世俗的で豪華な唱句 / 夢見る魚 / アンゴラの雄牛 / 金の粉 / 優しく / 幻影 / ピカデリー - 行進曲 / エンパイア劇場のプリマドンナ / J.S.バッハ「今すべての森、静かなり」サティ編 / 愛を呼び覚まして - アンダルシアの歌(ガンバレス) / 練習曲 / フーガ - ワルツ / パッサカリア

1805年製エラール
 どういうわけか、第4集目に来てピアノが変わってしまいました。それでもピリオド楽器ですが、1905年製のエラール(model90703)に変更されてのレコーディングです。収録作は1897年から 1906年に掛けての作品です。また、
  裏ジャケットのアーティストポートレイトが、オジー・オズボーン(笑)から、好青年みたいなポートレイトに差し替わっていました。


サティとは作風は異なりますが、イタリアのロッシーニの『老いの過ち』もサティに負けず劣らずヘンテコなタイトルの曲集を残しています。