星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

 マーラーは指揮者であり作曲家でしたが、その作品は交響曲がメインで、交響曲と平行に歌曲も作曲していました。交響曲と歌曲の関連が、ここまで絡んでいる作曲家は他にいないのでは? と思えるほど、マーラーの交響曲と歌曲は切っても切り離せない関係にあります。だから、交響曲を聴いている時に「あっ、このメロディは!」というような発見があり、歌曲からの引用が多く、1曲で2度おいしい楽しみ方ができます。ここでは、マーラーの歌曲集のレコードを紹介します。


さすらう若人の歌 リュッケルト歌曲集&若き日の歌
 1968年にバーンスタインがバリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを迎えて、ピアノ伴奏した歌曲集。CDはディースカウの追悼盤としてタワーレコードから企画されたもの。もともとのアナログ盤には「さすらう若人の歌」と「リュッケルト歌曲集」しか収録されていませんでした。CD化で、初めてセッション全曲が収録されました(パチパチ)。ただし、リュッケルトは通常5曲で歌われるのですが、ここではマーラーが初演した1905年の曲順で収録されました(「美しさゆえに愛するのなら」が未収録)。
 このアルバムで気になるのは、ディースカウの歌唱はもちろんのことですがやはりバーンスタインのピアノではないでしょうか? バーンスタインのなめらかな指の動きは、指揮をする時の表現に共通するのか、それともジャズを得意とする作曲者だけに、窮屈さを感じません。

(ジャケットもいかしてます)
リュッケルト歌曲集 わたしはリンデンの香りに
  わたしの歌を盗み見ないで
  わたしはこの世から姿を消した
  真夜中
若き日の歌 もう会えない
  ドン・ファンのセレナーデ
  シュトラースブルクの砦
  別れ
  うぬぼれ屋
  いたずらっ子をしつけるには
  夏の歌い手交替
  ファンタジー
  想い出
  みどり深い森を心たのしく歩んだ
  春の朝
さすらう若人の歌 いとしいひとがお嫁に行く日は
  今朝ぼくは野原を歩んだ
  ぼくは燃える剣をもっている
  いとしいあの子のつぶらな瞳が
 



♪ ♪ ♪

アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮;レナード・バーンスタイン
Recoeded on 1987.

クリーブランド管弦楽団
指揮;ピエール・ブーレーズ
Recoeded on Jun 1994.



歌曲集(1890)
バーンスタインとウィーン・フィルという最強のバックアップを得て代表歌曲集が収録されています。珍しいのは亡き子をしのぶ歌でしょうか? 大体女声で歌われることが多いので…

♪さすらう若人の歌
♪亡き子をしのぶ歌
♪リュッケルトの詩による5つの歌曲
子供の不思議な角笛(1993)
ここでは女声パートもハンプソンが歌い、しかもこの歌曲集では通常一緒に歌われる事のない交響曲に取り込まれた楽曲までがピアノ伴奏で収録されるという、マーラーファンにとっては興味深いアルバムです。あちこちのレビューでは交響曲で耳慣れた曲まで歌わなくとも・・・といった批判めいたコメントも見受けられますが、全然問題ないです。というのも、たとえば「大地の歌」でもアルトのパートをバリトンが受け持つ事もあり、ハンプソンはまさにラトルとトーマスの下でそれをやっているぐらいですから。ここでピアノ伴奏を受け持っているのはジェフリー・パーソンズです。
子供の不思議な角笛(2011)

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