星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
 
 

ソナタ ニ長調 第50番 Hob.XVI/37
(I. Allegro con brio / II. Largo e sostenuto / III. Presto ma non troppo)

ソナタ 嬰ハ短調 第49番 Hob.XVI/36
(I. Moderato / II. Scherzando allegro con brio / III. Minuet - Trio: Moderato)

ソナタ ヘ長調 第38番 Hob.XVI/23
(I. Untitled / II. Adagio / III. Finale: Presto)

ソナタ ホ短調 第53番 Hob.XVI/34
(I. Presto / II. Adagio / III. Vivace molto)

ソナタ ニ長調 第61番 Hob.XVI/51
(I. Andante / II. Finale: Presto)

カプリッチョ ト長調 Hob.XVII/I 「8人のへぼ仕立て屋に違いない」

Joanna Leach; Stodart square piano of 1823


 

 ハイドンのピアノ・ソナタは、健全というのか、毒がないというのか… 面白みに欠けるというのか… そんな風に思っていた私でしたが、いつのころからかハイドンにハマってしまいました。そして、当時の楽器を演奏しているレコードと出会うことによって、その興味は他の作曲家にまで指が伸びるようになりました。

 このアルバムに用いられているピアノは、1992年のレコーディングに奏でたうちの1台のみを使用しています。つまり、「あれから」さらに10年が経過したので、同じピアノとはいえさらに深みを増した音で奏でられている、というわけです。した1823年にWilliam Stodartが製作したスクエア・ピアノというタイプで、CDの裏ジャケットにあるように、四角い(正確には鍵盤に合わせて横長)形をしています。

 このアルバムに収められいる作品は1777〜1780年に掛けての5曲のソナタとカプリッチョ1曲。このピアノの響きにハイドンらしさを感じるのですが、彼は1809年に亡くなっていますから、実際には1823年のピアノの音色を聴くことはなかったと思います。とはいえ、ほとんど響きのないピアノ、それでいて打鍵によって聞こえてくる音の拡がり(それがまたチープ)の中に、作曲当時の空気とか世界の感触が伝わってくるようです。そうした気分をもっとはっきりと味わうためには、ハイドンと接触するためには、やはり星空の元で聴くのがいいのではないでしょうか?

 Joanna Leachは、他にもオリジナルピアノを奏して私の好きなジョン・フィールドも含め数枚のアルバムをレコーディングしてくれています。


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