私が、ミゴに巡り会ったのは、NECの“20世紀フランスの作曲家”という企画物で、最初にフィリップ・カッサールのドビュッシー(ベヒシュタイン)に目をとめたのがきっかけでした。私が購入したミゴのアルバム帯にはこんなコピーが書かれていました。 「サティをお好きな方、こちらもどうぞ・・・」 まさに手を出さずにはいられない殺し文句。 スピーカーから流れてくる音は、ドビュッシーのように有機性はないものの、「夜」の雰囲気は持っているし、サティのようなユーモアはないものの、名づけられたタイトルたちは、私にとってストライク、まさにど真ん中をついてきました。 派手に鳴らすことのない、淡々とした旋律は、無機質で、まるで冬の星空の一角からこぼれ落ちてくる天界の雫のようです。特に『小さな羊飼いの暦』は、星座を作ったとされるカルデアの人々が放牧生活の中で星座を作りだし、それが暦になったし、大作である12の練習曲集『獣帯』は占星術そのものを題材にし、ミゴ自身が曲に12篇の詩をつけています。 吉松隆の『プレイヤデス舞曲集』や田中カレンの『星のどうぶつたち』など、ミゴの影響が伺えて、星を眺めるとき、なかなか重宝しています。 ジョルジュ・ミゴ(Georges Migot/1891-1976)はヴィドールらに学び、一時は六人組の向こうを張り一人組と呼ばれた。つまり彼はモダンな新古典主義に敵対したのであり、その音楽は、ドビュッシー、ヴィエルヌ、トゥルヌミールあたりに似、全音音階や教会音楽を用い、典雅だったり印象派的だったり神秘的だったりする。黄道十二宮は十二の星座の名による十二曲八十分。各々には作曲者自作の詩がつく。例えばしし座なら「力、が、獰猛さのない」なんて具合に。音楽もそれを裏切らず、荘厳な力に満ちた音の伽藍をうちたてる。星占いが好きでフランス音楽ファンという人があらば、このエイマールの名盤を知らぬは人生の損。(クラシック名盤大全より) |
『獣帯(黄道十二宮)』 |
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派手に鳴らすことのない、淡々とした旋律は、無機質で、まるで冬の星空の一角からこぼれ落ちてくる天界の雫のようです。特に『小さな羊飼いの暦』は、星座を作ったとされるカルデアの人々が放牧生活の中で星座を作りだし、それが暦になったし、大作である12の練習曲集『獣帯』は占星術そのものを題材にし、ミゴ自身が曲に12篇の詩をつけています。 |
『獣帯(黄道十二宮)』 |
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派手に鳴らすことのない、淡々とした旋律は、無機質で、まるで冬の星空の一角からこぼれ落ちてくる天界の雫のようです。特に『小さな羊飼いの暦』は、星座を作ったとされるカルデアの人々が放牧生活の中で星座を作りだし、それが暦になったし、大作である12の練習曲集『獣帯』は占星術そのものを題材にし、ミゴ自身が曲に12篇の詩をつけています。 |