星と天界の音楽と(星のソムリエのブログ)

アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)
作曲:1892-1895に掛けて
初演:1893年12月16日、ニューヨーク
 日本では「三大交響曲」と呼びならわしているうちの1曲(あとはベートーヴェンの『運命』とシューベルトの『未完成』なんだとか…)。それもそのはず、日本人の好きな口ずさめるメロディが随所に出るわ出るわのオンパレードです。運命や未完成などよりも親しみやすいのではないかと思います。

 さて、そんなこんなの『新世界より』ですが、私が最初に聴いたのは、あまりにも有名な曲だけに定かではありません。ただ、初めてこの曲をレコードで買ったのが、上の写真にも写っているキリル・コンドラシンがウィーン・フィルを振ったレコード。その後は図書館なんかで借りて聴きましたが、ショルティの爽やかな虹のジャケットと、カラヤンがウィーン・フィルを振ったものと、作曲者本人がピアノ連弾譜にアレンジしたCDです。一番のお気に入りは、いかにも第二楽章を意識したと思われるコンドラシンのレコードです。

  上の写真のレコードは、もしかしたら日本のみのジャケットなのかもしれません。その後にリリースされたCDなどのジャケットは全く別の物だし(同じだったら買ってたかも…)、未だに家ではアナログ・プレイヤーは健在だから、とりあえずはこれで目で、耳で楽しんでます。
 コンドラシンと同じウィーン・フィルを振ったレコードで、いつの年代になってもカタログの1位にランキングされる1961年のイシュトヴァン・ケルテスは図書館で借りました。確かこの演奏も、繰り返しSACD化されているので、いずれ(余裕があったら)購入しようかなと思っています。

  そしてカラヤンの『新世界より』は、実に5回目の録音。前の4回はいずれも手兵だったベルリン・フィルとのレコーディング(1940、1957、1964、1977)で、私が持っているのはウィーン・フィルと1985年にレコーディングした最後の同曲。この頃のカラヤンは、ベルリンと決別し、ウィーン・フィルと、それまでの総決算ともいうべきデジタル化を進めていた感がありました。それでも、決して時間を気にして先をイゾグことなく、どのレコーディングもカラヤン流のきわめて美しい音世界が広がっていました(カラヤンの演奏に好き嫌いは別にしても)。

 意外だったのは、1983年にリリースされたショルティ/シカゴのレコード。それまでレコーディングされなかったのがウソのようです。豪快な演奏はそれまでのショルティの真骨頂ですが、その前後にマーラーや、ベートーヴェンの交響曲全集を行っていたアーティストとは思えないぐらいの表情の違いが楽しめるのは、同曲の聴き比べ以上にではないでしょうか? これがクラシック音楽の面白いところでしょう。

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|2023年6月4日更新|