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WH-1057
SOMETHING OF TIME / Nightnoise
Produced by Billy Oskay and Mícheál Ó Domhnail.


Windham Hill Records, 1987

 

01.Timewinds (Billy Oskay)
02.Perchance to Dream (Billy Oskay/Mícheál Ó Domhnail)
03.The Erebus and the Terror
04.On the Deep (Mícheál Ó Domhnail)
05.Hourglass (Mícheál Ó Domhnail)
06.Shadows on a Dance Floor (Mícheál Ó Domhnail)
07.Wiggy Wiggy (Mícheál Ó Domhnail)
08.Tundra Summer (Billy Oskay)
09.Apres-Midi (Tríona Ní Dhomhnaill)
10.Something of Time (Mícheál Ó Domhnaill)
11.Toys Not Ties (Brian Dunning)

- CD Only -
12.I Still Remember (Billy Oskay)
13.One for the Lad (Mícheál Ó Domhnail)

 

 時計の秒針の音で幕を開けるナイトノイズのデビューアルバムです。グループは2001年に解散してしまいましたが、1985年にリリースされたビリー・オスケイ&マイケル・オドネル(ミホール・オ・ドーナル)の【NIGHTNOISE】が引き金となって、2人のコラボレイトしたアルバムタイトルをグループ名にした最初の作品になりました。ただし、クレジットをよく読んでみると、メンバーは4人になっているものの、先の二人が中心になり(それだけでもデュオアルバムのセカンドと言えなくもない)、フルートのブライアン・ダニングとキーボードのトリーナ・ニ・ゴーナルはほとんどゲスト的な扱いです。興味深いのは、先の【NIGHTNOISE】や【THE PARTING TIDE】にかけて。もっと言ってしまえばビリー・オスケイが在籍している間、マイケルは実妹とともにRelativityというバンドを立ち上げています。また、1988年にはフルートのブライアン・ダニングとトミー・ヘイズのパック・フェアというグループの製作にビリーと共にかかわっていました。

 私はこの【SOMETHING OF TIME】がリリースされた直後(グループの母体となったビリー・オスケイ&マイケル・オドネルの【NIGHTNOISE】が、あまりにも自分のツボにハマッた作品だったので)レコードに針を下ろして聞こえてきたキーボードの聞き慣れないコードには、正直期待を裏切られたと思ったものでした。ビリーとマイケルの2ndのつもりで耳を傾けたのが良くなかったのか、シンセサイザーの多用、生楽器に対してエコーの使いすぎで、少々がっかりしたのを覚えています。ジャケットは自然の風景ではありませんでしたが、なんとなくアッカーマンの【PAST LIGHT】を思わせる落ち着いた雰囲気があってとても良かったのですが…。

 しかし、その後のナイトノイズの音楽性を考えてみれば、グループの1stアルバムにしては、その方向性をしっかりと持った完成度の高いデビューアルバムだったのではないでしょうか。当時流行つつある音作りが全編を占めていますが、今ではオープニングのそんな中にも【NIGHTNOISE】でみせてくれたアコースティックな(大げさでないシンプルな演奏という意味)曲は、レーベルらしい落ち着いた趣を感じさせてくれます。

 衝撃(笑)のオープニングはマイケルがギターとホイッスル、ブライアンがフルート、それ以外をビリー・オスケイがヴァイオリン、ハープシコード、シンセサイザーとマルチタレントぶりを発揮して主導権を握っています。それにしても、このオープニングの曲調は、なんと希望に満ちあふれたメロディなのでしょうか。2曲目からは、僕の期待した【NIGHTNOISE】の続きを聴かせてくれます。その2曲目が、このアルバムの中で一番好きな曲なのですが、そのヴァイオリンの歌うメロディは、ナイトノイズの中でも一、二を争うほどお気に入りのメロディです。
 ビリーとマイケルによる演奏は2、4、8、10の4曲。ブライアンが加わったトリオは1、3、5、6、7、11。トリーナはビリーと2人でのレコーディングで、彼女がお得意のキーボードをハープシコードや、ハルモニウムなど数種類のキーボードで曲に変化を付けています。
 残念ながらlが揃って演奏している曲は残音されていおらず、次作に持ち越されています(CDのボーナストラックは4人の演奏がはいっているかも。当時も今も、我が家ではアナログ盤は現役!)

 現在、このアルバムはリマスター盤がリリースされていますが、それに伴いジャケットのレイアウトが弱冠変更されています。

nightnoise are ;
Billy Oskay and Mícheál Ó Domhnail
with Brian Dunning and Tríona Ní Dhomhnaill


〜Discography〜
SOMETHING OF TIME (Windham Hill, 1987)
AT THE END OF THE EVENING (Windham Hill, 1988)
THE PARTING TIDE(Windham Hill, 1990)
(ビリー・オスケイは『THE PARTING TIDE』を最後にグループを脱退)
SHADOW OF TIME (Windham Hill, 1993)
A DIFFERENT SHORE (Windham Hill, 1995)
THE WHITE HOUSE SESSIONS(Windham Hill, 1997)

 ビリー・オスケイの後任として加入したジョン・カニンガム(1957/08/27-2003/12/15)は心臓発作で、グループのリーダーであるマイケル(1952/10/07-2006/07/09)は不慮の事故で亡くなってます。すでに彼らは2001年にグループを解散していますが、これでグループの再結成は夢となってしまいました。

Nightnoise

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