Photo by Toshiharu Minagawa.
|
||
|
タイトル曲である“Aerial Boundaries”を、曲目も知らせずに左手のイントロからいきなり始めると、リスナーは待ってましたとばかり即座に反応し「うぉ〜」とうなり声をあげました。私が初めてマイケルのパフォーマンスに接することができた1985年の昭和女子大では、そういった反応はありませんでしたが、1989年の箱根彫刻の森美術館と1990年の新宿ルミネホールでの反応は凄まじいものでした(特にギターキッズたちは!)。それも最初の数秒だけで、その後はマイケルの指の動きに食い入るために、水を打ったように静まりかえってしまいました。極度の緊張感。彼の楽曲の中では最も人気の高い曲がこれです。 プロデューサであるアッカーマンが“It's Magic”と叫んだ彼のパフォーマンスには(誰が見ても)驚かされますが、さりげない曲にも高度なテクニックが駆使されていて、それがあまりにも自然なために私には良くわかりません。1st同様、アコースティック・ギター1本で弾きまくっている作品集ですが、ニール・ヤングの“After The Gold Rush”と“Menage a Trois”では子弟のマイケル・マンリング(後者にはもう1人フルート奏者のミンディ・ローゼンフェルドが参加してトリオ演奏)が1stに続いて参加しています。レーベル・メイトであるマンリングがフレットレス・ベースでメロディをゆっくり奏でるこの曲に関しては、マンリングのサポートに徹して彼の歌(といってもベースソロ)にじっくりと耳を傾けているかのようです。 1stに比べるとスケール感が増し、透明感のあるサウンドに仕上がったのは、アッカーマンの右腕的存在のエンジニア、スティーヴ・ミラーの手腕によるもの。ここで彼はエンジニアとプロデュースを務めています。 このアルバムには“ガリレオの精神にこの音楽を捧げる”という一文がクレジットされています。 〜Discography〜 *Rabbit Earsより。**Open Airより。 |
|||||