ウィンダム・ヒルの掲示板

WHISPERINGS AT NIGHTFALL
/ Robert Linton(2006)



Produced by Will Ackerman & Corin Nelsen.
Engineer, Mastering by Corin Nelsen.
Recorded at Imaginary Road Studio.

All music by Robert Linton.

Will Ackerman

   

♪ ♪ ♪

01. Candlelight
Robert Linton ; Guitar

02. Autumn Moon
Robert Linton ; Guitar / Eugene Friesen ; Cello

03. Whisperings at Nightfall
Robert Linton ; Guitar / Noah Wilding ; Vocals

04. Within the Outline
Robert Linton ; Guitar
Derrik Jordan ; Percussion / Tracy Silverman ; Violin

05. Wait Until When
Robert Linton ; Guitar

06. Silent Hollow
Robert Linton ; Guitar / Michael Manring; Bass / Tracy Silverman ; Violin

07. Field of Lilies
Robert Linton ; Guitar
Will Ackerman ; Guitar / T-Bone Wolk ; Bass
Noah Wilding ; Vocals / Jill Halley ; English Horn

08. Flowing Echo
Robert Linton ; Guitar / Michael Manring; Bass

09. Into the Grove
Robert Linton ; Guitar / Eugene Friesen ; Cello

10. Moonlit Rainfall
Robert Linton ; Guitar



 モノトーンに統一されたジャケット。もの静かにギターを抱えてうなだれる男。それだけで何か物語が浮かんできそうな、そんな写真をメロディにしたようなマイナー調の多い曲集です。ウィルの手がけるアルバムの中でも、ちょっと異質な感じがしないでもありません。

 ジャケットを見ても分かる通り、ここでのギターはガット弦を張ったクラシックギター。ガットギターといえば、古くは1979年のDavid Qualeyが思い出されます。
 ロバートのこのアルバムは、一本調子な進行に、共演者がメロディを奏でてアンサンブルを作り上げていきます。その美しさは、ロバートのソロに挟まれて実に有機的に漂っています。

 特に私のお気に入りはNoah Wildingとのコラボ(3、7)。

 ウィンダム・ヒル・ファンには「Flowing Echo」なんて興味津々のセッションではないでしょうか。マイケル・マンリングのファズを掛けたような音色が、ロバートのG弦だけに寄り添うようにつま弾く。その存在感はずっしりと重たい(mp3なんかだと軽くてわからない!)。
 それから「Field of Lilies」なんてタイトルからしてウィンダム・ヒルっぽい曲。Jill Haleyのオーボエが、まさに百合の花々を思わせ、夢を漂う。そして寄り添うようにNoah Wildingの声。まさに「Imaginary Road」の世界が広がっていきます(アッカーマンのギターが控えめなのが残念)。




ちょっとわかりづらいのですが、右ページにサインを頂きました : )


 ロバートのギターは、変な言い方をすると一本調子で、どの曲も短いフレーズが繰り返されるばかりの曲です(ギター一本だけだと飽きちゃうかも)。それは、まるで哲学的時間とか、川の流れとか、自然界の営みのようで、表情を覗き込むことは出来ません。そこに意味を付けてゆくのが人間の感情というものでしょう。リスナーの心の状態によって、曲の雰囲気が変わってゆく。だからこのアルバムはモノトーンなジャケットなのかもしれません。アッカーマンの好きな音楽といえるでしょう。



Photo by Toshiharu Minagawa.


Robert LintonWill Ackerman

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